肌育コラム

COLUMN
2018.10.25NEW!

その日焼け止め、ハワイでは使えない?
サンゴを守るための条例が可決

その日焼け止め、ハワイでは使えない?<br>サンゴを守るための条例が可決

今や、一年中日焼け止めは必須とされる時代。毎年、新商品が発売されていますが、その一方で、ハワイでは一部の日焼け止めを販売禁止にする法案が可決されました。日差しの強い常夏の島で日焼け止めを手にすることができないとは、一体どんな理由があったのでしょうか?

日焼け止めの成分でサンゴ礁が白色化

2018年7月にアメリカ・ハワイ州で「有害な化学物質が含まれる日焼け止めの販売禁止」という法案が州知事により署名されました。特定の成分を含む日焼け止めが禁止されるのは、世界ではじめてのことだそう。 その背景にあるのが、サンゴ礁の保護

ハワイではサンゴ礁が“白化”する現象が続いており、深刻な社会問題になっていました。法案では、特定の日焼け止め成分が「サンゴやその他の海洋生物の遺伝子を傷つける」原因であると明示。2021年1月1日からこれらの成分を配合する日焼け止めの販売を禁止するとしています。

2015年には海水浴客の遊泳や生活排水などにより、世界中の海に年間1万4000トンもの日焼け止めが海に流れ込んでいる※という研究結果が公表され、問題視されていました。特定の成分を含む商品を販売禁止することに対し専門家の意見は分かれているものの、その被害が甚大なため今回販売中止に踏み切ったというわけなのです。

※参照:CNNニュース https://www.cnn.co.jp/usa/35118667-2.html

【紫外線吸収剤とは?】

現在、日焼け止めに含まれる紫外線防止の成分は、「紫外線吸収剤」か「紫外線散乱剤」が使用されています。それぞれのメリット、デメリットがありますが、この法案で”有害な化学物質”として指摘されたオキシベンゾンとオクチノキサートは紫外線吸収剤。なんと、世界の3,500以上の日焼け止め製品に配合されています※。日本の人気ブランドでも使用されている成分のため、多くの人が手に取ったことがあるのではないでしょうか。

※共同通信社:https://this.kiji.is/387089144855856225?c=113147194022725109

  • 紫外線吸収剤
    化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぎます。
    〈POINT〉
    ・化学反応を起こすので、その影響で肌に刺激があることも。
    ・化学反応後は効果が弱まるために塗りなおしが必要。

  • 紫外線散乱剤
    物理的な仕組みで紫外線を散乱、反射させます。散乱剤(パウダー)が肌を均一に覆って紫外線を肌表面で反射、散乱させて紫外線の影響を防ぎます。
    〈POINT〉
    ・顔を覆うパウダーの影響で白浮きしやすく、被膜感を感じるものも。
    ・汗や水分で流れ落ちるため、リゾートやスポーツシーンには不向き。

日本から持ち込む日焼け止めは対象外

ハワイで日焼け止めが一切使えなくなる!と心配されるかもしれませんが、そういうわけではありません。多くの商品にこれらが使われているのは間違いありませんが、成分が入っていなければハワイでも使用することができます。また、日本から持ち込むもの、医師の処方箋によるものについては規制対象外です。

【規制対象外となる日焼け止め】


●規制成分を配合していないもの
●旅行客が持ち込んだもの
●医師の処方箋によるもの

どんな日焼け止めを選ぶ?

日本から持ち込んだ場合は規制外としても、美しい海にダメージを与えるものを使うのはできるだけ避けたいですよね。ではどんなものを選べばいいのでしょう。

まず、注意したいのは表示名です。
化粧品の成分表示は量の多いものから順に記載されています。流通している商品だと紫外線吸収剤は水、エタノールなどに続き5番目までに表示されていることが多いようです。厚生労働省の化粧品基準で定められた日本で化粧品に使われている成分の中で、EUの環境ホルモンリストに挙げられているものは以下4つの成分。いずれもハワイで規制されている2種類の紫外線吸収剤です。特に、「オクチノキサート」は日本での表示名が違うので要注意!多くの高SPFの日焼け止めに配合されている「メトキシケイヒ酸オクチル」のことです。

●オキシベンゾン


表示名:オキシベンゾン-1、オキシベンゾン-2、オキシベンゾン-3

油溶性でUVBからUVAまで吸収波長領域のある紫外線吸収剤です。
環境ホルモンへの影響や発ガンが疑われている成分。アレルギーや肌老化などの影響も懸念されています。アメリカや欧州では以前から使用を規制されており、日本でも旧表示指定成分に指定されていて配合量に上限が設けられています。

●オクチノキサート


表示名:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(メトキシケイヒ酸オクチル:旧表示)

紫外線に対して高い防御力を持つ紫外線吸収剤で、特に赤くなる日焼けの原因であるUV-Bの吸収に優れています※。
環境ホルモンの危険性も指摘されています。不安定で、紫外線を吸収した後に分解され副産物が生まれます。

※出典:資生堂「美容成分辞典」

また、表示名のチェック以外にも、簡単な回避方法があります。

□紫外線吸収剤不使用のパッケージのもの

規制成分はいずれも、紫外線吸収剤です。まずは、パッケージに「紫外線吸収剤不使用」「紫外線散乱剤使用」と表示されているものをチェックしてみましょう。紫外線吸収剤は日焼け防止の効果が高い反面、刺激が強い成分のため、環境問題に加え肌が弱い人も避けたほうがベターです。

□オーガニックなど「ノンケミカル」のもの

紫外線吸収剤を含む化学物質を避けて作られた「ノンケミカル」処方の日焼け止めにも注目。オーガニックのアイテムなど紫外線散乱剤を使用しているものがあります。現地のハワイでは「Reef Safe(サンゴ礁に安全)」「Eco-Conscious(環境を意識した)」という表示の日焼け止めが増えています。

いずれも紫外線吸収剤使用の日焼け止めに比べると効果が穏やかで落ちやすいこともあるので、使用量をしっかり守って塗ること、こまめに塗り替えることが必須です。また、同じ「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」でも、使用感はさまざま。白浮きや肌に軋みを感じるものもあるので、試してから購入するのがおすすめです。

「成分にもこだわって選ぶ」が第一歩

皮膚のことを考えると、日焼け止めは塗るべき。だからといって、自然を破壊するのは避けなくてはいけません。日本ではまだ禁止されていないとはいえ、海は繋がっています。正しい知識を持っていれば、工夫はまだまだできるはず。日焼け止めだけでなく、どんなものでも成分にこだわることが誰かのためになるのかもしれません。

肌も、自然も、両方の美しさを守るために、今すぐに行動できるとよいですね。

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