肌育コラム

COLUMN
2018.08.30

本来のオーガニックコスメの目指すところ

本来のオーガニックコスメの目指すところ

日本でのオーガニック製品の在り方は、残念ながら

オーガニック=おしゃれな人が利用しているもの

という流行感覚での広がりが見受けられます。
実は、これは日本独特な傾向です。それに伴い偽物オーガニックもどんどん増えています。

オーガニックコスメは日本ではアジア圏のなかではいち早く流通が始まったものの、今では韓国、台湾、中国などの他の国々にオーガニックの浸透が追い抜かれているのが現状。

日本人は便利なもの、使い捨てのものに囲まれていますから、オーガニックの本当の意味が伝わらず、大きく流通が広がらないのです。

海外、国外のオーガニック化粧品と呼ばれるものは、「製品が認証機関の定められた基準内で作られています」という証の、認証マークが表示されています。

例えばエコサートやUSDA、BDIH、ネイトゥルー、ソイルアソシエーションなど、様々なオーガニック認証機関のマークがあり、それら認証機関の基準も様々です。

認証機関でいえばエコサートなどは、そのマークを“よく見かける”だけに、言い方が悪いですが許される原料の基準も比較的緩いことで製品が作りやすく、他の認証機関よりもたくさんエコサートマークを持ったオーガニック化粧品が流通しています。

緩いとは言っても、通常の化粧品のように、原料や製造のすべてが何を使い、どうやって作っているかの追跡不可能な作り方とは違い、原料からしっかりと管理され、透明な製品づくりをしなければ認証マークはもらうことが許されず、メーカーは並々ならぬ思いをして作っています。

オーガニック認証を持つという事は、コスメにおいては人と環境に配慮しているものであるという事が約束されているのです。

CO2などの温室効果ガス、環境ホルモンの影響、生分解しない成分、農薬の害。地球はすでに限界を超えているかもしれません。私たちが毎日出す排水やごみには有害な物質が多く含まれていますし、環境の悪化は加速しています。

そして化粧品にもこうした環境に配慮できない成分がたくさん使われています。たとえば1回の使う量は少なくても、毎日使えば大変な量。体にだって影響することだってあるかもしれません。

ついこの間も、米ハワイ州で紫外線吸収剤のオキシベンゾンとメトキシケイヒ酸エチルヘキシルという成分を含んだ日焼け止め製品は販売を禁止するという法案が可決された記事がでていました。これらの成分は環境ホルモンの疑いがあるのと、サンゴの白化も問題になっています。

さらにオーガニック製品が約束することは、原料に使われる化粧品成分が、例えば植物成分なら農薬漬けから回避されることや、それによる天然成分の薬効作用が有利に活用できること、ナノ技術やナノ成分を使用しないことで、安全の保証もない将来のリスクが避けられます。

そしてどこかの国の人たちにフェアトレードという形で力になれることだってあります。さらにさらに、動物実験をしないことで小さな命が守れます。

こうしてオーガニックの化粧品メーカーさんが、製品に使う原料に有害なものを使わない配慮をすることができれば、みんなが知らずに使っていても地球を汚すリスクが減るというわけなのです。そしてもちろん、私たちの身体にもね。

だから、オーガニックを選ぶという事は、実はとっても深い意味があるのです。

私個人としては、オーガニックは「私たちの生活を、すべてにおいて豊かにすること」ではないかと思います。

オーガニックを使うことで私たちが安心して暮らせる環境が持続できるのだと思います。

オーガニックとの向き合い方は人それぞれ。自分に合った選択をして、オーガニック化粧品の自然の力を楽しんで活用していただきたいと思っています。

オーガニックコスメの目指すところ

化粧品は、自然原料を使うから、オーガニックだから安全か?実際そこはみんなよくわからないところが多いのではないでしょうか?

植物など自然成分の計り知れないパワーは、時に大きな助けとなり、健康や美容に対して私たちの生活に豊かさをもたらします。香り一つでも体に影響するほど効力は大きく、自然成分の持つ特性をうまく組み合わせて製品が作られているのです。

とはいえ、自然成分にも私たちに有利に影響するものとそうでないものもあります。そしてそれは人によっても変わってきます。

例えば、食品のお蕎麦や牛乳にアレルギーを持つ人もいます。それと同じように、コスメの成分にアレルギーがある場合、その成分が配合しているものは使うことができないかもしれません。

また、どんなに肌に良い成分だと謳われていても、配合量が変わるだけで同じ成分であっても刺激が変わったりもします。オーガニックだから肌にやさしいということは全くの間違いであり、どんなものでも自分に合ったものを選んでいく必要があるのです。

しかし最近では、私の周りに増え始めたのが調剤薬局関係からの自然成分への関心です。
どうして調剤薬局なのか?

それは話をしてみてよくわかりました。肌のトラブルは皮膚科に行くと、多くは薬を出されるだけの対処法がほとんどで、皮膚科の先生が個人のカウンセリングを、時間をかけてじっくり行ってくれるところは少ないのではないでしょうか。

薬で症状が治まっても一時的なもので、同じ生活スタイルが繰り返されればまた悪くなる。これでは繰り返すだけで根本治療には至らないのが現状です。



・被膜性の強いシリコーン配合での毛穴のつまりやニキビ、肌荒れ
・洗浄力の高い洗顔料での肌荒れやニキビ
・日焼け止め成分や、香料、着色料などの化学成分による過敏に反応するアレルギー
・浸透コスメによる慢性の乾燥肌、過敏肌

こうした肌トラブルを事前に減らす解決方法がオーガニック分野の化粧品に提案できるという事は素晴らしいことです。

また、オーガニックコスメはとにかく保湿が得意。
だから乾燥肌に効果的で、肌の調子が整ってくればたくさんのとコスメを使わなくても健康な肌を維持できるように。

皮膚科でもらう、高保湿クリームであるヒルドイドクリームなどは、肌の調子が良くなるという事で化粧下地に使う人がとても多いと言います。でも、決して化粧品ではなく、あくまでも薬なのです。そうした高保湿のクリームになれてしまうと、自らの潤いを作り出す機能が劣り、使わなくなった時にとたんに肌荒れを起こすことも。

オーガニックの化粧品は薬でも何でもありませんが、一人一人に合ったものを選択できれば、潤いを出す力が衰えてしまった肌を癒し、肌を整えていく効果はとても高いでしょう。だからこそ自然化粧品の力は、これからの調剤薬局の注目の分野であり、ますます需要が高くなってくるのではないでしょうか。

ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子 <この記事の監修>
ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子

ナチュラルコスメ・パーソナルプロデューサー CM、TV、映画など数々の分野でフリーのヘアメイクアップアーティストとして活躍。自身の化学物質化敏症を機に肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年よりナチュラルコスメ専門ヘアメイクアップアーティストとして転身。 現在は化粧品、店舗などのプロデュースをはじめ、講演・講座などで活躍。カウンセリングやメイク講座は即日予約が埋まるほどの人気。

ナチュラルライフ&ビューティースクール
http://nl-bs.jp/