道端に生えている雑草の“さし草”が、“スーパーフード”に昇格!
そして、ここ、沖縄でも今年の春、“野草”がニュースになりました。それは温暖な地域では道端にも生えているセンダングサ(さし草)が、栄養成分が豊富に含まれるとして沖縄県の優良県産品として認定を受けることになったのです。
認定を受けたのは、さし草を粉末にしてお茶として摂れるように仕上げた「さし草粉茶」。その開発者である、「さし草屋」代表・與儀喜美江さんは「さし草はポリフェノールやタンパク質、亜鉛やベータカロテンなど栄養素が豊富に含まれているスーパーフードです」と、その魅力を話します。
ただ、さし草は生命力が高いことから、沖縄では駐車場や庭に生え広がってしまう“厄介な雑草”として扱われていたもの。それがスーパーフードだったとは、與儀さん本人も驚いたといいます。
「私も当初は染め物に使おうと思っていたのですが、私が運営するカフェのお客様からさし草には昔から栄養がある草なんだよ、と言われたことから、食用として活用することに興味をもちまして。そして、食品分析試験にかけたところ、さまざまな栄養素があることがわかり、そこでホールフードとして摂れるように粉茶に仕上げました」。
「さし草粉茶」を実際に購入されたかたから、思いもよらなかった大きな反響が寄せられたそう。「便秘が解消したという方が最も多いのですが、そのほかにマスクによる肌あれが改善したとか、よく眠れるようになったとか、人それぞれに健康効果があったと話していただけました」。
joy工房&茶屋
與儀さんが主宰するカフェ「joy工房&茶屋」では、さし草粉を販売しているほか、さし草を練り込んだ麺や、ティラミスなどのスイーツもいただけます。「炊飯時に小さじ1杯ほどのさし草粉を混ぜると、淡いグリーンのご飯が炊きあがり、うまみが増します。そのように、ふだんの食生活に摂り入れていただくだけで、野草の栄養素が得られるのも大きな利点だと思います」。
全身の細胞が喜ぶ! 発酵料理をいただけるカフェ
野草や発酵料理を提供しているカフェは沖縄市にもあります。その名も「ヤソウカフェ yamacha」。今年で12周年を迎える、地元民に愛される古民家カフェです。埼玉県から移住したという加藤律子さんは、ご主人とともにカフェを営んでいます。
「こちらは実はカフェ兼自宅なんです。もともと住むために借りたのですが、スペースがとても広すぎたので、せっかくだから余っているスペースでカフェをはじめようと思ったのがきっかけでした」。
提供する料理も、実は加藤さんがご家族のために作っていたレシピをアレンジしたもの。「私は祖母から味噌や麹のつくりかたを教わっていたので、こちらでもそういった発酵食材を用いた料理を作っていました。そして、裏庭には野草がたくさん生えていて、年間で100種類くらいの野草が採れます(笑)。そのなかで、センダングサやふーちばー(ヨモギ)、長命草、クワンソウなど、食べられるものがあるので、それらを刻んでペーストにしてカレーに入れたり、ピザソースに使ってます」。
しかも、敷地内には、立派なピザ窯も! 「ピザを焼ける石窯は主人が作ってくれました。これも家族で楽しむために作ったのですが、いまではランチメニューのピザを焼いたり、焼きカレーを作ったりと、活躍してくれています(笑)」と笑顔。
そして、今回、ランチでいただいたのが、1日限定5色という「日替わり発酵ランチ」(¥1,485)。沖縄在来種のあぐーとランドレースを掛け合わせた、喜納農場のあぐーとエリンギを揚げたものに、塩麹のマスタードをつけた滋味あふれる一品や、同じく喜納あぐーをハーブと麹で漬け込んで、薪の火で8時間ほど燻製した自家製のスモークハム。塩麹のバーニャカウダや白瓜の糠漬けなど、体中の細胞が喜びそうな料理がそろい踏み。
ご飯も薪で炊いた玄米、さらに、自家製の玄米味噌に、削ったばかりの鰹節をいれた味噌汁など、やさしい味わいに、食べ進めていくうちに心がほっこりしてきます。これほど贅沢な発酵料理をいただけて、¥1650(税込み)というのは良心的な価格!キッズやベビー対応のために、半個室も用意されているのも魅力。もし近所にこちらのカフェがあれば、毎日でも通いたくなる、居心地も抜群なアドレスです。