肌育コラム

COLUMN
2018.04.18

ホルモンが原因で敏感肌に!?
生理前から始めるスキンケア対策

ホルモンが原因で敏感肌に!?

急に吹き出物が増えると生理が始まるサイン。生理中は肌がいつも使っている化粧品に刺激を感じたり、ひどくなると赤くなってしまうことも…。

生理の前や生理中は肌が揺らぎがち。ただでさえ体調がすぐれない時期に肌の調子まで悪くなると、さらにブルーな気分になってしまいます。

生理にまつわる肌荒れは、生理周期で変動する女性ホルモンの動きが影響しています。毎月のこととはいえ、肌荒れが起こると不安になるもの。予防する方法はないのでしょうか。

顎ニキビ発生!肌がぴりつく!

「顎にニキビができた!」「なんだかピリピリする・・・」そんなトラブルが起こりがちな生理前の肌。

女性の体は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つのバランスを取り合うことによってコントロールされています。この2つのホルモンは周期的に増減を繰り返していて、心身ともにその影響を受けているのです。

女性ホルモンのバランスの変化を知って、そのときどきにあわせた適切なスキンケアを心がけましょう。きっと肌の悩みも軽くなっていくはずですよ!

2つのホルモンは周期的に増減を繰り返す

卵胞ホルモン(エストロゲン)

月経後、排卵に向かって分泌・増加し、月経の直前に急激に減少する。

思春期になると卵胞から分泌され、乳房を発達させて、妊娠や出産に適した「女性らしい体型」を作りだします。ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を促進するため、肌に潤いやハリを与えたり、骨を強くし、コレステロールの増加を抑える働きも。自律神経の働きを調整して、明るい気分にさせてくれます。

参考文献『(PDF)Health Management for Female Athletes』『(PDF)4 月経について』


黄体ホルモン(プロゲステロン)

排卵後に黄体が形成されてから、次の月経の直前まで分泌される。

妊娠に備えて基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮を整えるホルモンです。腸の働きを抑えたり食欲を増進させたりする働きがあるため、体重の増加や便秘を引き起こすことも。皮脂の分泌を活発にする働きがあるため吹き出物の原因になったり、生理前の体調不良を引き起こしたりもします。

参考文献: 『(PDF)Health Management for Female Athletes』

顎ニキビは子宮からのサイン?!東洋医学の知恵

東洋医学では「体の不調は顔に現れる」と言われ、顔に現れる変化は体の内の不調を伝えるサインと考えられています。その中で子宮からのサインは顎に出るとされているそうです。生理前に鼻の下や顎の両脇にニキビができやすい方は、冷えなど子宮に負担をかけていないか振り返ってみてもよいかもしれません。


参考文献: wotopi(ウートピ)

「攻め」「守り」の時期はいつ?生理期間別スキンケア対策

ホルモンバランスが影響されやすい女性にとって、スキンケアは「攻め」と「守り」の時期を知ることが第一歩。ホルモンによる乱れの影響で生理の前後は約1週間ごとに肌の状態は変わります。

生理前と生理中は「守り」のスキンケアで肌トラブルを予防し、生理後1週間は「攻め」のスキンケアを実践することが基本。女性ホルモンのバランスにあわせて適切なスキンケアを実践して、ホルモンバランスの影響に負けない美しい肌を目指しましょう。

それでは、それぞれの期間中にどのようなスキンケアを心がけるべきかご紹介します。

生理前=イライラオイリー肌

皮脂の分泌量が気になったり、イライラしたり・・・。女性にとって心身ともに不調が感じられがちな生理前。そんな時期のスキンケアは、肌荒れが起きないようにするため「守り」を意識することが大切。特に「ニキビ」と「紫外線」の対策を怠らないようにしてくださいね。

“守り”美容

・ニキビ予防
・紫外線対策
生理直前のこの時期は、黄体ホルモンの影響で肌がオイリーに傾き角質層も厚くなってきます。また、ニキビの原因菌から肌を守る「抗菌ペプチド」が減少し始めるため、ニキビや吹き出物に要注意です。加えて、黄体ホルモンはメラニンの生成を促す働きもあるためシミ・そばかすができやすくなります。
この時期は肌を清潔にすること、そしてこれ以上の皮脂の過剰分泌を食い止めるために保湿が大切です。紫外線ケアも念入りに行いましょう。

生理中=ガサガサ敏感肌

生理前の「イライラオイリー肌」の時期が終わっても、まだまだ肌に不安定さが感じられるのが生理中。ガサついてしまったり、乾燥しがちになったりと肌荒れが起こりやすい時期が続いています。生理前に引き続き、「守り」を重視したスキンケアを行っていきましょう。

“守り”美容

・保湿ケア
・敏感肌対応
生理中は、黄体ホルモンが減ると同時に卵胞ホルモンも減少します。さらに血流が滞りがちで基礎体温が下がるため、肌が乾燥し肌バリアの機能が最も弱くなります。普段はそうでなくても、この時期は敏感肌になっている状態と同じ。ピーリングや美白化粧品などの刺激の強いケアはご法度です。保湿重視のやさしいケアをするのが正解。

排卵前(生理終了後1週間ごろ)=しっとりピカピカ肌

生理が終わって排卵までの時期は、肌トラブルが少なく、自然としっとりとした美しい肌になるうれしい時期です!肌が絶好調になるこの時期は、ぜひ「攻め」のスキンケアに取り組んでより一層の美しさを目指してくださいね!

“攻め”美容

・角質ケア
・“攻め”美容
生理が終わったこの時期は、卵胞ホルモンの分泌がピークに。肌トラブルが少なく比較的肌の状態が整いやすい時期になります。そのため、角質ケアをしたり新しいスキンケアを試すならば、の時期がおすすめです。積極的にキレイを目指しましょう!

生理前から始めるスキンケア対策

一気に肌の調子が崩れがちになる生理前。ホルモンバランスに肌のコンディションを大きく乱されたくないですよね。

生理前・生理中に起こりがちなニキビやシミ・そばかす、ガサガサ敏感肌を防ぐために日頃のお手入れを意識して、生理中もゆらぎにくい肌へ整えていきましょう!

洗顔はたっぷりのふわふわ泡で優しく

黄体ホルモンが分泌されて皮脂の分泌が多くなりがちな生理前後。「ニキビやテカリを予防したい!」「しっかり皮脂を落とさないと・・・」と思いがちですが、ゴシゴシとこするような洗顔は、手のひらとの摩擦で肌に負担をかけてしまうこともあります。また、洗浄力の強すぎる洗顔料は、肌を保護するために必要な皮脂まで洗い落とし、乾燥や敏感肌の原因となることも。

いつもの洗顔料で構いませんので、「たっぷりの泡で優しく洗う」ということが大切です。しっかりと泡立てた弾力のある泡で手のひらが肌に触れないよう丁寧に洗顔をして、すすぎや顔を拭くときも刺激を与えすぎないよう注意してくださいね。

ちなみに、優しくすすぐとフェイスラインに洗顔料が残ってしまうことも・・・。洗い残しで肌トラブルが引き起こされる可能性もあるので、優しく丁寧な洗顔を心がけましょう!

低刺激なスキンケアアイテムで丁寧な保湿を

生理前・生理中のデリケートな肌に使うスキンケアアイテムは「低刺激」を意識してください。いつもは問題がなかった香料成分やアルコール類などの防腐剤が刺激となってしまうこともあるので、なるべく肌にとって不要な成分が配合されていないものを選びましょう。

無添加化粧品もよいですが、肌と心へのやさしさをいちばんに考えると「オーガニック品質」にこだわった化粧品がベスト。(ご使用前に成分をご確認くださいね!)大自然のもつ癒しの力を感じながらケアをすれば、ホルモンバランスの影響でゆらぎがちな気分までゆったりと包まれるようです。

そして、生理中は「ガサガサ乾燥肌」も悩みになりがち。乾燥を防ぐために、いつも以上に丁寧な保湿ケアを心がけたいところですが、油分が多い乳液やクリームはニキビの原因になることもあるので、生理期間中はお休みしましょう。

お手入れの際は肌に刺激を与えないよう優しくハンドプッシュでなじませ、化粧水でのうるおい補給もクリームや乳液での油分補給もしっかり行いましょう。

なんと1か月のうち2週間も肌荒れ期間があるという現実…。少しでも肌荒れを予防しておく方法はないのでしょうか。その都度の「対処スキンケア」だけでなく普段の生活習慣でも事前に影響を抑える方法があるのです!

アイデア① 食事に気を付ける

美肌の元である卵胞ホルモンは、生理中にかけてどんどん減っていきます。卵胞ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つことで知られる栄養素といえば、大豆などに含まれるイソフラボンです。

イソフラボンは生理前から意識的に摂るのがおすすめです。加えて、皮脂の代謝を促すビタミンB群、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCもたっぷりと。

なお、生理前は皮脂の分泌量が増えるため油分や甘い物は控えめにしましょう。生理中は体温が下がりやすいので体を温める食事を心がけることが大切です。

アイデア② 睡眠の質を上げる

睡眠の質を上げる

生理前後は睡眠の質が下がってしまいます。生理前は、黄体ホルモン、プロゲステロンの影響で眠気を感じるにも変わらず体温が上がっているため睡眠が浅くなりがちです。一方、生理中はそのプロゲステロンが減少してしまうので寝付きにくくなります。

寝不足が続くと生理で消耗した体が休まらないばかりか、男性ホルモンを活性化し皮脂の分泌量が増えて肌荒れの原因を増やすことに。普段から夜のカフェインは控える、早めにお風呂に入るなど、睡眠の質を上げるよう心がけるようにしましょう。

アイデア③ 普段のスキンケアで肌バリア強化

生理中のホルモンバランスの崩れは避けられないもの。もともとの肌の状態が整っていなかった場合は、その影響を強く受けてしまいます。そのため、普段のスキンケアから肌のバリア機能を意識しておくことが、生理時のホルモンの影響を最小限に食い止める秘策になります。

それには…

・外的要因=乾燥、スキンケアなどの摩擦、紫外線、化粧品成分の刺激などから肌を守る
・内的要因=ストレスや疲労などをためておかない
・肌に水分を「与えて逃がさない」保湿ケアを徹底する

生理期間に限らずこの3つを徹底すること。普段のケアの見直しはもちろん、スキンケアアイテムを見直すのも大切です。

ホルモンバランスにあわせたスキンケアが大切

生理期間中は肌だけでなく体も心も消耗し、辛い思いをする人も少なくありません。スキンケアすることさえ億劫になってしまうことも・・・。でも、ホルモン分泌のサイクルを知って「攻め」と「守り」でスキンケアを使い分け、ふりまわされるのではなく上手に付き合っていきましょう。

ホルモンバランスの変化でゆらぎがちな生理前・生理中の肌には、「守り」のスキンケアが必要。ニキビ・紫外線・乾燥対策をしっかりと実践して、トラブルの少ない肌を目指していきましょう。そして、生理後1週間は「攻め」のスキンケアでより一層美しくなれる時期です。

女性にとっては大切な時期だからこそ、積極的に自分の肌や体の変化に注目し、生理期間を憂鬱なものから「自身をいたわる期間なんだ」と気持ちをシフトしていけたらいいですね。

<この記事の監修>
株式会社ケアリングジャパン
スキンケアカウンセラー 今泉

10年以上、無添加・ナチュラル・オーガニックといった化粧品の企画販売に従事。多様化する生活習慣・肌質・嗜好を尊重しながら寄り添う情報発信を心がけている。

【資格】
日本スキンケア協会:スキンケアカウンセラー
国際オーガニックセラピー協会:オーガニックコスメセラピスト

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