肌育コラム

COLUMN
2018.05.25

その習慣が肌をデリケートにしてしまう!?
乾燥で敏感肌になってしまうワケ

その習慣が肌をデリケートにしてしまう!?乾燥で敏感肌になってしまうワケ

乾燥を感じているのに、保湿しようと化粧品をつけるとピリピリ。肌が赤みを帯びたり、かゆみを感じたりと、ガサついた肌を和らげるすべもなく、困っていませんか?
その肌は乾燥性敏感肌かもしれません。 一時的な乾燥にとどまらず、敏感に傾いてしまった肌は、ひどいときにはアトピー皮膚炎につながってしまうことも!

乾燥性敏感肌になる原因はどんなことが考えられるのでしょう。

こんな症状には要注意「乾燥性敏感肌」とは?

乾燥性敏感肌とは、乾燥により肌の水分量が減ることでバリア機能が低下し、外部からの刺激(気温の変化、紫外線、ハウスダスト、大気汚染などのアレルゲンなど)、普段使っていた化粧品なども刺激になり、かゆみや湿疹が出るなどの過敏な反応をする肌のことをいいます。

生まれつきに皮膚が薄い方や、アトピー性皮膚炎やアレルギー肌との違いは、乾燥性敏感肌は誰でもなる可能性があるということ
以下のチェック項目でひとつでも当てはまれば、乾燥性敏感肌の対策が必要かもしれません。

化粧品で肌がひりついたり、赤くなる。

汗をかくと肌がかゆいなど違和感がある。

服の素材によって、肌がチクチクする。

肌が粉がふいたり、皮めくれがある。

洗顔後や入浴後、時間をおかずに肌が突っ張る。

乾燥で「肌のバリア機能」が低下 肌を保湿するメカニズムとは

肌に水分が大切というのはご存知の通り。若々しく潤いに満ちた肌は美しいものですが、ただ美容の観点からだけでなく、肌を外的ストレス(刺激)から保護する役割を担っているのです。

人の皮膚は表皮と真皮で構成されています。表皮の一番上にあるのが、角層。角層は角層細胞と角質細胞間脂質でできています。これらが10ほどの層となって肌の水分を守ってくれるのです。角層の保湿を担っているのが3つの“保湿因子”です。

肌を守る4つの保湿因子

外的ストレスを感じやすい敏感肌を守るためには、4つの保湿因子をバランスよくキープすることが大切。それぞれの役割を知って刺激に負けない健康的な肌を作っていきましょう。


皮脂膜(ひしまく)

皮脂腺から分泌した皮脂や汗によって肌表面につくられる層で、角層の水分蒸発を防ぐフタの役割を果たします。実は人の皮脂には優れた保湿効果があり、肌を守るために必要不可欠なもの※。「皮脂」というと「ニキビの原因になる」というイメージがありますが、しっとりとした美しい肌を保つためにはなければならない物質です。


参考:JSTAGE:(PDF)皮膚科学と化粧品


天然保湿因子(NMF)(てんねんほしついんし)

アミノ酸などが主成分の「肌の潤いの素」になる成分。水分となじみのよい性質を持っていて、角質細胞内で水分を保持する役割を果たしています。量が少なくなると肌のバリア機能が低下して、外部からの刺激に敏感な肌になりがちに。糖化や酸化の影響を受けると、肌の中から流出しやすくなり減ってしまいます。


参考:JSTAGE:(PDF)天然保湿因子(NMF)産生酵素の性質とバリア機能


天然保湿因子(NMF)(てんねんほしついんし)

アミノ酸などが主成分の「肌の潤いの素」になる成分。水分となじみのよい性質を持っていて、角質細胞内で水分を保持する役割を果たしています。量が少なくなると肌のバリア機能が低下して、外部からの刺激に敏感な肌になりがちに。糖化や酸化の影響を受けると、肌の中から流出しやすくなり減ってしまいます。


参考:JSTAGE:(PDF)天然保湿因子(NMF)産生酵素の性質とバリア機能


角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)

セラミドやコレステロールなど、肌の中に水分をとどめる働きを持つ成分。天然保湿因子を含む細胞と細胞の隙間を埋めて、角層の構造を安定させています。角質細胞間脂質が少なくなると、角層が不安定になり乾燥しがちな肌になるだけでなく、外部からの刺激や異物が侵入しやすい状態に※。


参考:JSTAGE:(PDF)角質細胞間脂質のバリア機能


皮膚常在菌バランス(ひふじょうざいきんばらんす)

肌の表面には1兆個ほどの菌が存在していて、雑菌や悪玉菌の過剰な繁殖を抑え、皮脂膜を作って刺激から守っています。健康的な肌を保つためには、善玉菌のバランスを適切に保つことが大切。とくに「表皮ブドウ球菌」は「美肌菌」と呼ばれるほど肌の保護に重要な役割を担っています※。


参考:持田ヘルスケア株式会社:顔の常在菌を大切にしよう

積み重なった角質細胞をレンガブロックに例えると、積んだブロックの間を埋めるセメントの役割をしているのが細胞間皮質。細胞と細胞をくっつけることで層のような構造ができ、水分を保持することできるのです。

こんな症状には要注意「乾燥性敏感肌」とは?

これらの保湿因子が、
・過度な洗顔などで皮脂が奪われて水分が蒸発する
・摩擦で角層がはがれて薄くなる
・血行不良や紫外線などの影響で細胞間皮質やNMFが不足する
などの原因で、角質層内部の水分量が低下。今まで水分によって守られてきた肌が、外的刺激を受けやすくなります。その結果肌トラブルが引き起こされることに!!

乾燥が続くとこんなことに…

●化粧品が合わなくなる
バリア機能が失われ敏感な肌に。普段の化粧品さえ刺激になることも

●肌老化が一気に加速!
紫外線などの外的刺激をモロに受けることで、シミやシワなどの原因に

敏感肌になり肌トラブル発生!
・乾燥を何とかしようと皮脂が大量分泌され、乾燥性ニキビに!
・肌がかゆくなったり、刺激によりかぶれるなど敏感肌やアトピー性皮膚炎になることも!

誰でもなる可能性がある!! 肌の乾燥を助長する悪習慣

肌を乾燥させるのはどんな原因があるのでしょう?
以下が主な原因といわれています。

肌を守る4つの保湿因子


・エアコンなどの空調機器による肌の乾燥

・紫外線による日焼け

・自分の肌に合わない化粧品の長期使用

・間違ったスキンケア法を続ける

・刺激の強い(効果が強い)化粧品を使っている

・睡眠不足やストレス

・栄養の偏りや不規則な食生活

・加齢  など

上記のような環境により肌の乾燥が進み、水分保持機能が低下。角質細胞がはがれ落ちやすくなり、角質層のバリア機能が低下してしまいます。
この中で当てはまるものがあれば、早急に改善していきましょう。

乾燥性敏感肌になってしまったら「2大鉄則」で肌を守る

乾燥性敏感肌になってしまったらどうするのが良いのでしょう? その2つの鉄則になるのが…

・ 肌保湿うるおいと油分のダブル保湿
・ 刺激を与えないケア

まずは、一にも二にも大切なのは保湿。やさしい成分の化粧水でしっかりと潤すということをいつも以上に意識して。潤した後は乳液やオイルなど油分でフタをしましょう。
バリア機能を失った肌は特に敏感なので、物理的な刺激をさけることも大切。ゴシゴシ洗いなどの物理的な摩擦を避け、なるべく刺激を与えずにケアをする工夫を。
クレンジングや洗顔料は、皮脂を取りすぎたり皮膚常在菌のバランスを崩したりしないよう、適切な洗浄力のものを選びましょう。

また、生活習慣などの見直しを。食生活の改善やたっぷりとした睡眠は肌を健やかな素肌を育みます。バリア機能が弱っているため、紫外線対策もお忘れなく。ただし、マイルドな日焼け止めでも肌に沁みてしまうことがあるため、帽子や日傘など日焼け止めを使わない対策も同時に取り入れて。

【マイルドな化粧品で徹底保湿】

・スペシャルケアよりも基本のケアの質をアップして。まずはとことん保湿!
・低刺激の処方のものにシフトして、トライアルなどで使用前にはパッチテストを。

【スキンケア法もチェック】

>【スキンケア法もチェック】

・熱いお湯は水分を蒸発させやすいので、お風呂はぬるめの湯温に。
・洗顔後や入浴後は「まず保湿」を心がけ、油分でフタをし水分の蒸発をできる限り食い止める。
・洗顔やスキンケア時の摩擦は肌の負担になるので“極めてやさしく”を心がけて。
・肌環境を乱すことがないよう、マイルドな洗浄料を使用する。

【生活習慣も「乾燥肌シフト」に】

・刺激や負担の少ない日焼け止めを塗って紫外線対策。
・ファンデーションが刺激になることも。メイクは薄めにして、化粧落としの負担も減らして。
・バランスのよい食事をとる、たっぷり睡眠をとる、ストレスケアをするなど、理想的な生活習慣は肌にも◎。

>マスク肌荒れにも要注意!

従来の肌荒れ・敏感肌の原因にくわえて、最近注目されているのが「マスク肌荒れ」。感染予防のために今やマスクは欠かせませんが、実はマスクで肌荒れしてしまう方が急増しているのです。

とはいえ、マスクをしないわけにはいきませんよね?マスク肌荒れの原因と対処法を知って、隠れた部分まで美肌を目指しましょう。

マスクで肌荒れ!?その原因とは

まずは、マスクで肌荒れしてしまう原因についてご紹介します。主な原因は次の4つ。

・マスク内の「蒸れ」
・マスクの着脱による「乾燥」
・マスクが擦れる「摩擦」
・「雑菌の繁殖」によるニキビ

マスクの内側は呼吸によって湿度が高く、蒸れた状態が続いていますよね。蒸れると保湿されているように感じますが、マスクを外して湿気が外に逃げるときに、肌の水分まで一緒に奪われてしまうのです。

着脱するたびに「蒸れ→水分蒸散→蒸れ→…」というサイクルを繰り返すことで、知らず知らずのうちに乾燥肌になってしまうことも。さらに、蒸れた状態で咳やくしゃみをすると雑菌が繁殖しやすくなり、ニキビができやすい状態になります。

そして、敏感肌の方にとっては「マスクをつける」という習慣自体が肌荒れの原因になることも。肌にマスクが触れることで刺激を受けて、赤みやかゆみが生じるケースも少なくありません。

昨今においてマスクは必需品となっていますが、肌荒れへの対処法を押さえて、マスクによる肌ストレスを軽減させていきましょう!

マスク肌荒れへの対処法

>マスク肌荒れへの対処法

マスク肌荒れに対処するためには蒸れを防ぐことが大切。蒸れると乾燥やニキビにつながるので、通気性の高い不織布マスクを使ったり、顔周りを涼しく保ったりすることを意識しましょう。

竹布やオーガニックコットン・麻などの肌触りの良いガーゼをマスクの内側へ入れて蒸れを防止したり、清潔なハンカチを使って、マスク内の汗をこまめに拭き取ることも心がけてくださいね。

夏場などの場合は冷感スカーフなどで首を冷やして体温を下げて汗を少しでも抑える工夫をしてみましょう。

マスクが擦れて痛かったり、赤みが現れたりする場合は、あらかじめ保湿クリームを塗っておくと刺激が少なくなります。

もちろん、マスクから肌を守るためには、今まで以上にスキンケアを丁寧に行うことも大切。刺激を与えないように優しく洗顔をして、保湿効果が高く低刺激のスキンケアアイテムで肌をしっかりとうるおわせてあげましょう。

手遅れになる前に… 不安に感じたら皮膚科へ受診を!

乾燥性敏感肌は、肌質だけでなく間違ったケアや生活習慣が原因で悪化することがあります。つまり、肌質に関係なくどんな人にもなる可能性があるということ。
どんなにケアしてもセルフケアでは改善しない場合もあるので、不安に感じたら皮膚科で受診するようにしましょう。

荒浪 暁彦_あらなみクリニック総院長 <この記事の監修>
荒浪 暁彦
あらなみクリニック総院長
慶應義塾大学
漢方医学センター非常勤講師

【あらなみクリニック公式HP】
https://www.bihada-clinic.com/
 

浜松医科大学卒業後、同大皮膚科入局。同大皮膚科助手、関連病院医長などを経て、漢方医学、美容医学を学んだ後、静岡県島田市にあらなみクリニック開設。同院は医者が選んだ専門病院(ライフ企画)及び、オリコンメディカルでは東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)皮膚科部門で、医療水準1位、総合評価2位に選出され、全国アトピーの名医(日本医療企画)にも静岡県で唯1人選ばれた。浜松医科大学及び慶應義塾大学非常勤講師を兼務し、千葉県船橋市にも分院開設。