肌育コラム

COLUMN
2018.06.25

敏感肌のエイジングエアで実践してもらいたい生活習慣の改善

敏感肌のエイジングエアで実践してもらいたい生活習慣の改善

年齢とともに気になるシワ・シミ・たるみ…。改善したいと思っても、敏感肌の方は強力なスキンケア成分に刺激を感じがち。「エイジングケアしたいのに合うコスメが見つからない!」とお悩みではありませんか?

敏感肌の方のエイジングケアには、スキンケアに加えて内側からのケアが必要です。そこで今回の記事では、過敏な肌を守りながらしっかりとエイジングケアをするための方法をご紹介します。

保湿ケアが基本

加齢によって起こる肌トラブルの大半は「乾燥」が原因です。年齢を重ねるにつれ、肌の水分も油分も減り、肌のバリア機能が弱くなってしまいます。
そこで大切になるのが「水分と油分での保湿ケア」です。若々しい美肌を保つためには水分だけでなく、油分のケアを徹底し、肌の乾燥を防ぐようにしましょう。
正しい保湿ケアを徹底することで肌のバリア機能が整い、ホコリや雑菌などの外的要因に影響されにくい肌を保ちやすくなる効果もあります。

また、ターンオーバーを整えることもエイジングケアでは重要なポイント。加齢によってターンオーバーの周期が遅れやすく、古くなった角質が肌に溜まると、くすみやごわつきの原因となってしまいます。
肌にやさしい角質ケアをプラスし、ターンオーバーのサイクルを整えることで、保湿・美容成分の浸透しやすい柔らかい肌を保ちやすくなります。

若々しく健やかな肌を保つために「保湿ケア」を見直し、バリア機能を整えるようにしてみましょう。

紫外線対策は万全に

エイジングケアに欠かせないのが、シミだけでなく、シワやたるみも引き起こす光老化。
光老化とは、主に紫外線をはじめとする太陽光線の影響によって起こる老化のこと。
紫外線は肌のごわつきやくすみなどの原因にもなりますが、シミやシワの80%は光老化によると報告されているほど肌に大きな影響を与えています。

そして、光老化によるたるみの原因になるのが「UV-A」。
季節・天気を問わず1年中降り注いでいる上に、屋内にいてもガラスを通り抜けてしまうので、年間を通して油断せずにしっかり紫外線対策を心がけたいですね。

参考『(PDF)紫外線によるシミ・シワ(光老化:ひかりろうか)を防ぐために知っておくべきこと』


紫外線UV-Aによる肌へのダメージ

年間を通してエイジングケアの大敵となる紫外線UV-A。
降り注ぐUV-Aはメラノサイトというメラニン色素を作りだす細胞を刺激して、シミや色素沈着を引き起こしてしまいます。

さらに、波長が長いUV-Aは、肌にあたった30~50%が肌のいちばん奥にまで到達。
ハリのキープに欠かせないコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、たるみやシワを作り出してしまうこともあるのです。

肌へのダメージを防ぐためには紫外線対策をすることが大切ですが、敏感肌の方が強力な日焼け止めを使うと、成分が肌の負担になることもあるので悩ましいですよね。
敏感肌の方がUV-Aを対策するなら、その日の予定や肌の状態に合わせて、適切な日焼け止めの強さを選ぶことと、メラニンが正常に排出されるよう肌のターンオーバーをととのえることが理想的です。

日焼け止めはPA+とSPFが高いものが効果的

それでは、日焼け止めの強さはどのように選べばよいのでしょうか? 日焼け止めは「PA+」と「SPF」の数値が高い方が強力ですが、敏感肌の方は「SPF値が高い日焼け止めは肌に悪い・・・」と思ってしまいがちですよね。
しかし、SPF値が高いからと言って必ずしも肌に負担が大きいというわけではありません。

さらに、紫外線吸収剤不使用・ノンシリコンであれば、SPF値が高くても肌に優しい日焼け止め。
たとえSPF値が高い日焼け止めでも、重ね塗りしないと紫外線カット効果は半分も発揮されないと言われているので、いちばん大切なことは「SPF」と「PA+」の効果を知って、「シーンに合わせた日焼け止め選び」をすることです。

・SPF
SPFはUV-Bを防ぐ効果の高さを表す数値です。数値で示されるのは「2~50」までですが、SPF50以上の効果を持っている場合は「50+」と表示されます。

・PA+
PA+が表すのはUV-Aを防ぐ効果の高さ。「+」の数が多いほど効果が高く、「++++」がいちばん強力にUV-Aを防いでくれます。

ちょっと買い物に行くか1日中レジャーを楽しむか、オフィスワークか外回りの営業か・・・。
ライフスタイルやその日の予定によって、紫外線を浴びる量は変わりますよね。
お出かけの目的などに合わせて最適な「SPF」と「PA+」を選ぶことと、肌に負担をかける成分が含まれない日焼け止めを選ぶようにしてくださいね。

大気汚染から肌を守ることも大切

大気汚染とは、車の排気ガスや工場の煙、タバコの煙、黄砂、PM2.5など、人体に良くない化学物質が空気中に飛散している状態です。
化学物質が肌に触れることで刺激になり、バリア機能に悪影響を与えてしまうため、肌の乾燥につながります。
肌のバリア機能を高めて大気汚染に負けない肌を保つようにすることが大切です。

適度な運動やストレス軽減を心がける

肌が敏感なため、エイジングケア成分を配合したスキンケアに刺激がありそうで使うのが怖いという方もいらっしゃると思います。
そんな方は、肌にやさしい自然はコスメで保湿ケアを徹底しながら生活習慣に気をつけて、見た目だけでなく内側からあふれる若々しさを手に入れましょう!

化粧品だけではなく、食生活でも糖化・酸化を防ぐことはできます。
また、日々の中で軽い運動をする時間を増やし、なるべく睡眠時間を確保できるようにして、内側からのエイジングケアを実践してみてくださいね。

適度な運動で若返りホルモンを分泌

適度な運動が健康によいことはわかっているものの、なかなか続けられない。そのような方も多いですよね?
しかし、適度な運動はカラダを若々しく保つホルモンを分泌させることにつながり、エイジングケアにとっても欠かせないポイントです。
骨密度や筋肉量は年齢とともに少しずつ減っていくので、運動で活力あふれるカラダをキープすることはとても大切。
特に次のような筋トレ・有酸素運動・ストレッチがエイジングケアに効果的だそうです。

●筋トレ
筋肉を強くしたり、基礎代謝を高めたり、血流を改善したりするために効果的。スクワットや腕立て伏せなら自宅でいつでも行なえます。

●有酸素運動
有酸素運動も血流を改善してくれるので、全身に酸素や栄養を行き渡らせるために効果的な運動。ウォーキングやジョギングなら手軽に取り組めますね。

●ストレッチ
運動のために時間が取れないという方は、スキマ時間に行えるストレッチに取り組まれてはいかがでしょうか。朝起きたとき、眠る前に筋肉を伸ばして全身をスッキリとさせましょう。

ストレスケアと質の良い睡眠

ストレスケアと質の良い睡眠

若さを保つホルモンは、運動だけでなく睡眠中にも分泌されます。そして、睡眠は肌の修復を行うためにも大切な時間。
そのため、敏感肌の方のエイジングケアでは、肌修復の「ゴールデンタイム」と呼ばれる就寝後30分~1時間の間にぐっすりと深い眠りについていることが欠かせません。
眠り始めてから3時間以内に明るさで目覚めてしまわないように、なるべく午前1時までには眠るようにしましょう。

また、睡眠を深めるためにも、ストレスを軽減させるためにもリラックスすることはとても効果的です。
36~39℃くらいのお風呂にゆっくりとつかれば、リラクゼーションの働きを司る副交感神経の働きが良くなり、深い眠りにつきやすくなります。
お好きなアロマを楽しんだりするのもよいですね。

ストレスは「ストレス肌荒れ」にもつながりますし、眠りにも影響を与えるもの。
トラブルのない若々しい肌を保つためには、アロマや入浴でリラックスしてストレスを軽減し、深く眠れるようにすることを心がけてください。

エイジングケアに効果的な食生活

肌を含めて、わたしたちのカラダを作っているのは毎日の食事です。
皮膚や粘膜を強くしたり、肌のターンオーバーを整えたりするためにはビタミンやミネラル、たんぱく質をバランスよく摂取することが大切。
皮膚は「人体最大の臓器」とも呼ばれ、体内の調子はすぐに皮膚のコンディションに現れてしまうものです。
食物繊維や発酵食品を積極的に摂り、腸内環境を整えることでさらに美肌づくりのためのよい影響が期待できます。

スキンケア成分に刺激を感じがちな敏感肌の方は、スキンケアに気を使うとともに、エイジングケアに効果的な食生活を意識して内側から肌を美しく保ちましょう!

ビタミンを補給しよう!

肌のターンオーバーに関わるのは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなど。
それぞれの働きと、含まれる食材などを参考に、積極的に摂取するようにしてみましょう。

<ビタミンA>
肌の粘膜に働くことで、免疫機能を保ち、健康な状態を維持することに役立つのがビタミンAです。ビタミンAが不足すると、肌や粘膜の乾燥につながります。チーズや卵、緑黄色野菜、ウナギなどに多く含まれています。

<ビタミンB群>
肌の乾燥対策として特に意識して摂りたいのがビタミンB2とB6です。肌粘膜の健康を守り、湿疹や口角炎、口内炎などのトラブルを防ぐ役割があります。ビタミンB2は卵や納豆、乳、葉物野菜に多く、ビタミンB6は肉やカツオ、マグロ、バナナなどに多く含まれています。

<ビタミンC>
肌の弾力を保ち、コラーゲンの生成に必要となる成分で、保湿に役立つのがビタミンCです。
ビタミンCが不足すると、免疫力の低下を招き、肌も健康な状態を維持できなくなってしまいます。柑橘系のフルーツ、イチゴ、キウイ、緑黄野菜、イモ類に多く含まれています。

<ビタミンE>
肌の血行を促進し、代謝を高めるとともに、活性酸素から細胞を守る抗酸化作用を発揮するのがビタミンEです。
身体を形成する約60兆個の細胞全てにとって大切なビタミンです。イワシなどの魚介類、イクラ、ウナグ、ナッツ類、カボチャ、アボカドなどに多く含まれています。

ちなみにストレス時に多くつくられる副腎皮質ホルモンの生成やアルコールを代謝させる際・喫煙によってビタミンCが消費されるので、摂ったビタミンが無駄遣いされないように(?)お酒の飲みすぎや喫煙・ストレスのため過ぎにも注意してくださいね。

食物繊維やミネラルは欠かせない

食物繊維やミネラルは欠かせない

ビタミンとともにエイジングケアに欠かせないのは、「食物繊維」や「ミネラル」です。
「食事は野菜から食べたほうがよい」という話を耳にしたことはありませんか?
食物繊維豊富な野菜から食べ進めると、食後の血糖値上昇を抑えることができるため太りにくくなるうえに、肌の糖化予防にも役立ってくれます。

また、野菜にはミネラルや抗酸化成分も含まれていることから、糖化だけでなく酸化も防いでくれて、必要な栄養素を肌に行き渡らせる効果も期待できるのです。
1日に淡色野菜200g、緑黄色野菜100g、海藻類50gを目安にした食生活を送りながら、ナッツ類やきのこも積極的に取り入れてくださいね。

ミネラル「亜鉛」も重要!

ミネラルの中でも「亜鉛」は健康な肌を育てるために重要です。
肌細胞の生まれ変わりに必要となる酵素の成分で、新陳代謝の中で重要な役割を果たしています。
亜鉛はカキやレバー牛肉、卵、チーズなどに多く含まれています。

ただし、亜鉛の過剰摂取は貧血、胃の不調を引き起こす可能性があります。1日の亜鉛摂取推奨量は18歳以上の女性で8mgとされていますので、サプリメントなどで補う場合には注意してくださいね。

良質なたんぱく質でコラーゲンを

肌の見た目年齢は「ハリ」によって決まる部分も大きいですよね。 肌のハリを保ってくれるコラーゲンは、たんぱく質に含まれるアミノ酸から作られます。 そのため、ビタミン・ミネラルとともに良質なたんぱく質も積極的に摂取するようにしましょう!

厚生労働省によると、成人女性にとって必要なたんぱく質量は1日に50gです。
たんぱく質は肉・魚・卵・乳製品・豆に多く含まれますが、おすすめなのは脂肪分が少なく、体内に吸収されやすいとされている植物性たんぱく質。

大豆はもちろん、最近ではヘンプ・えんどう豆など植物由来のプロテインも豊富に揃っているので気軽に摂取できます。
また、小豆は中医学的に見てもたんぱく質・ミネラル・ポリフェノールがバランスよく含まれ女性にとって嬉しい食材。
最近では和スイーツでなければ食べる機会が減っていますが、煮物に加えたり、小豆ごはんにしたり、白砂糖を使わずスイーツとして楽しむのもおすすめですよ!

大豆イソフラボンはエストロゲンと似た性質

大豆イソフラボンはエストロゲンと似た性質

たんぱく質が豊富な上に抗酸化作用も持ち、女性にとって嬉しい効果も発揮してくれるのが「大豆」です。

大豆といえば女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が有名ですよね。
しかし最近では、より高いエストロゲン活性を持つ「エクオール」という成分が注目されています。

大豆を食べると、「ダイゼイン」という成分のまま吸収する方と、「エクオール」という成分を作り出してから吸収する方がいます。
「エクオール」という成分を作り出せるとエストロゲン活性がより高くなり、イソフラボンの健康効果はより高まるのです。
ただし、「エクオール」を作り出せる方は約50%と言われています・・・。

「エクオール」を作り出せるかどうかは腸内環境によるとされているので、発酵食品や食物繊維をしっかりと摂って、腸内を理想的な環境に整えることが大事ですよ!

発酵食品で免疫力を高める

先にお話ししたように、大豆から「エクオール」を作りだすためには発酵食品や食物繊維で腸内環境を整えることが欠かせません。
腸は体内最大の免疫系器官なので、腸内環境が改善されれば免疫力もアップ!
さらに、抗酸化作用を持つものも多く、抗酸化物質を体内に取り込むためには、発酵食品にした方が効率がよいと言われているのでとても優秀な食品です。

納豆や豆腐であれば大豆を摂取しながら腸内環境改善・免疫力アップの効果も期待できますし、漬物であれば野菜に含まれる抗酸化成分をより効率的に体内に吸収できるようになります。

発酵食品として代表的なものは、納豆・味噌・漬物・ヨーグルトなどですよね。
1日にたくさん食べる必要はありませんが、少しずつでも毎日食べるようにすれば、発酵食品のエイジングケア効果が実感できるかもしれません。

参考文献:『(PDF)漬物の抗酸化性お呼び品質に及ぼす調製条件の影響』

「糖化」と「酸化」を防ぐインナーケア

肌はカラダの中に取り入れる「糖質」や「酸素」によってダメージを受けてしまうことも…。そのため、若々しい肌を保つためには「糖化」と「酸化」を防ぐことも大切です。
エイジングケアに欠かせない糖化予防と酸化予防。
しかし、糖質も酸素も生きる上では必要なもの。
一体、どのように予防していくべきなのでしょうか?

「糖化」とは?

「糖化」とは、体内のたんぱく質と摂取した糖が結びつき、劣化したたんぱく質が生成されて体内に蓄積される減少。
劣化したたんぱく質は「AGEs」と呼ばれていて、糖化が進むと肌がくすみやすくなります。

糖化を防ぐためには、食後の急激な血糖値上昇を抑えることと、抗糖化成分の摂取などが効果的だとされています。
カモミール・ドクダミ・力者・菊花・クマザサから抽出された成分は抗糖化作用があるので、これらを使ったお茶を生活の中に取り入れると効果が期待できそうですね。
そして、急激な血糖値上昇を抑えるためには、先にお話したように食事の最初に野菜を食べたり、ゆっくりと食事をしたりすることをおすすめします。

参考文献:『(PDF)糖化とアンチエイジング』


「酸化」とは?

「酸化」とは、いわゆる"サビ"のこと。わたしたちは酸素を吸って生きていますが、体内に入った酸素の一部は「活性酸素」になり、脂質と結びつくことでシミやシワなどの肌老化を引き起こします。

酸化を予防するためには、外部・内部ストレスからカラダを守ることと、抗酸化作用のある食品を積極的に摂ることが大切。
ビタミンCやビタミンEを多く含む食品や、ポリフェノールを含む赤ワイン・ぶどう・チョコレート、アスタキサンチンが豊富なエビ・カニ・鮭は酸化予防に効果的な食品です。
さらに、ムラサキイモやベリー類にはアントシアニン、ニラや玉ねぎには硫化アリルという抗酸化物質が含まれているので、日々の食事の中に取り入れて活性酸素から肌を守っていきましょう。

敏感肌の方は化粧品に頼りすぎないエイジングケアを

化粧品に頼らないエイジングケア方法について紹介しましたがいかがでしたか?
敏感肌の方でも、肌の保湿を徹底してバリア機能を高め、肌老化の原因となる紫外線、糖化・酸化、大気汚染を防ぎながら食生活を見直すことで、若々しい肌を保ちやすくなるはずです。ぜひ今日から少しずつ実践してみてくださいね!

<この記事の監修>
株式会社ケアリングジャパン
スキンケアカウンセラー 今泉

10年以上、無添加・ナチュラル・オーガニックといった化粧品の企画販売に従事。多様化する生活習慣・肌質・嗜好を尊重しながら寄り添う情報発信を心がけている。

【資格】
日本スキンケア協会:スキンケアカウンセラー
国際オーガニックセラピー協会:オーガニックコスメセラピスト

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