肌育コラム

COLUMN
2018.07.30

日本のオーガニック・ナチュラルコスメの現状

日本のオーガニック・ナチュラルコスメの現状

最近は食やコスメ、雑貨など「オーガニック」や「ナチュラル」を謳うおしゃれな製品を店頭でよく見かけますね。10年ほど前から思えば急速な流通で、この数年は特に劇的な増加傾向です。

海外コスメだけではなく、国産の製品も急速に増え、使用感や効果、そして製品アイデアもこだわりも、グレードの高いものが続々登場しています。

世の中にオーガニック・ナチュラルコスメが普及するのは、私にとってもうれしいことですが、反対に、多くの方からは「増えすぎて何をどう選んでよいかわからない」というご意見をいただくようにもなりました。

確かにここまで増えると、選べないのは当然ですね。
例えば化粧品の成分が読めて、今の自分に効果的に使えるものか見極められれば良いのですが、まず、ほとんどの方は見た目のうたい文句で判断するという事しかできないでしょう。

それに販売店でさえも「本物オーガニック」、「本物ナチュラル」と判断できる人がバイヤーにいないという現状。販売店が一般コスメとオーガニックコスメを混在して売っていればより選びにくさが生まれてしまいますからね。

それに実は今、オーガニック業界は頭を抱える問題が出てきています。

増え始めた「偽物オーガニック・ナチュラルのコスメ」

実は今、「偽物オーガニック・ナチュラルのコスメ」というのが急増中です。
これは、人気が出てきたオーガニックコスメをうまく利用してナチュラル風な製品を出し、便乗ビジネスを狙っているから。

海外でも同様の現象が起きていることから、すでにそうした「もどき」の部類が属するブランドを規制するための動きが始まっているそうです。では、そもそも本当のオーガニックコスメって何なのでしょう?

オーガニックコスメが「石油由来の合成界面活性剤は使用しません」、「合成防腐剤は使用しません」「合成着色料は使用しません」などとオーガニックの世界で使用される成分に様々な規制があるのは、きちんとした理由があります。

一言で言ってしまうなら、オーガニックコスメは「使命を持つ化粧品」。本当の意味を知るととっても深い、意味のあるコスメであるという事がわかります。

本物のオーガニック化粧品は世界を救う!?

現代の化粧品業界は大きな発展と共に素晴らしい進化を遂げています。でも、どんなにすばらしい化粧品でも、その原料の「もと」となるものを得るのに自然を壊したり、廃棄したり、海に流した時に自然に還らなかったり。

特に現代はマイクロプラスチックの問題が大きく取り上げられ、海の汚染が大変な問題になっています。化粧品などではスクラブや歯磨き粉などに入っているツブツブの粒子などがマイクロプラスチックです。

このマイクロプラスチックが海に漂うと、動物ランクトンが植物プランクトンと間違えて食べてしまい、それを魚が食べてしまいます。食物連鎖により、巡り巡って私たちの身体に戻るわけで、このように生分解しないものがどんどん使われて行くことは、人間自らが自滅へ追い込んでいるといっても過言ではないでしょう。

こんな風に何でもかんでも許してしまえば当然秩序は保たれなくなり、環境は悪化。

自然災害や、身体の健康を害することにつながっていきます。オーガニックの製品づくりはこうした自滅的なものではなく、持続可能であることが最優先されます。

「もどき」ブランドが急増している今、本物が見えにくくなってしまっている現状。そういった意味ではオーガニック認証を持つコスメは認証マークにより、一定の条件をクリアした製品という指標となり、安心な選択ができる製品であるという事がわかりますね。

あなたも、広がる「もどきコスメ」にご注意を!

ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子 <この記事の監修>
ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子

ナチュラルコスメ・パーソナルプロデューサー CM、TV、映画など数々の分野でフリーのヘアメイクアップアーティストとして活躍。自身の化学物質化敏症を機に肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年よりナチュラルコスメ専門ヘアメイクアップアーティストとして転身。 現在は化粧品、店舗などのプロデュースをはじめ、講演・講座などで活躍。カウンセリングやメイク講座は即日予約が埋まるほどの人気。

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