肌育コラム

COLUMN
2018.07.30

肌サビの原因「活性酸素」って?
肌サビを防ぐための3つのポイント

肌サビの原因「活性酸素」って?肌サビを防ぐための3つのポイント

シミやシワの原因になる「肌サビ」。なんとなく知っているけれど、どうして発生するのか、どうやって予防するのかご存知ですか?

肌サビが発生する原因は、体内で「活性酸素」が発生することです。いつまでも若々しく、ハリのある肌を保つためには、肌サビの原因となる活性酸素を取り除くことが大切。そこで、活性酸素が発生する原因と、除去するための効果的な方法についてお話していきます。

1.肌サビ、活性酸素って?

まずは「肌サビ」がどうやって引き起こるのか、何が原因となってしまうのか確認しておきましょう。
原因を知っておくことで、肌サビを防ぎやすくなるハズです。

肌サビとは?

サビとは、ある物質に酸素が結合した状態のこと、つまり「酸化」した状態をいいます。
金属が酸化して赤茶けたサビが付着するように、肌や身体も酸化によってダメージを受けているのです。

酸素は身体に入ると栄養素と結びついてエネルギーを作りますが、同時に活性酸素が発生します。

肌や身体が活性酸素によって酸化すると、「過酸化脂質」に変化します。これが通称「肌サビ」と呼ばれているのです。

活性酸素の原因とは?

活性酸素の原因とは?

肌サビを引き起こす活性酸素が発生する要因は、さまざまに考えられます。

酸化ストレスを引き起こすリスク因子としては、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤ならびに酸化された物質の摂取などが考えられます。また、過度な運動やストレスも活性酸素の産生を促し、酸化ストレスを引き起こす要因となります。

出典:高橋 将記. 活性酸素と酸化ストレス e-ヘルスネット.(参照 2020-07-21)

このように、活性酸素の原因になるものは多種多様ですが、特に気をつけたいのが紫外線やストレス、大気汚染など、日常生活に潜んでいる原因です。
増えた活性酸素は、体内の酵素やタンパク質などが排出しようと戦ってくれるのですが、活性酸素が過剰になると排出しきれず、肌サビや身体のサビへとつながってしまうと考えられています。

実は活性酸素にも大切な働きがあります

肌サビの原因となる活性酸素。悪者のように扱われていますが、活性酸素は人間にとって大切な働きもあります。

外部から侵入した最近から体を守るのは、活性酸素の重要な役割。また、神経シグナルの伝達や、細胞の働きを正常に保つための役割も果たしています。

活性酸素は体にとって必要なものでもありますが、紫外線やストレス、喫煙によって過剰に発生すると、酸化によるダメージを受け、肌サビの原因となってしまうのです。

参考文献:高橋 将記,活性酸素と酸化ストレス,e-ヘルスネット.(参照 2020-07-21)

肌がサビるとどうなるの?

シミやシワの原因と言われる「肌サビ」。どうしてシミやシワができてしまうのでしょうか?
しっかり肌サビ対策をするためにも、まずはそのメカニズムをチェックしておきましょう。

加齢とともにサビやすくなります

年齢とともに活性酸素消去酵素の働きが低下するため、肌や身体はサビやすくなると考えられています。

体内には「スーパーオキシドジスムターゼ」や「グルタチオンペルオキシダーゼ」などの抗酸化システムがありますが、加齢によりその働きが低下することから体のサビは蓄積されることに。それに伴って臓器の働きも低下し、肌サビだけでなく病気の原因になるとも言われています。

参考文献:須貝一郎,敏感肌の皮膚生理的特徴,Fragrance Journal, 30(10),29~36(2002)


紫外線による肌サビはシワやシミの原因に

肌老化の原因ともなる紫外線。
紫外線を浴びると活性酸素を大量に発生するため、肌はサビやすくなり、さらに肌老化を招いてしまうことに。

活性酸素は紫外線の中に含まれるUV-AとUV-Bのどちらからも発生し、その種類も実にさまざまだと言われています。

そして、紫外線による活性酸素で肌細胞が攻撃されると、肌の弾力やうるおいを保つコラーゲン、エラスチンを作る働きが弱くなり、シワやたるみなどの肌老化が起きやすくなってしまいます。
さらに、活性酸素が表皮のメラノサイトを攻撃すると、メラニンの発生量が増え、シミの原因に。

真皮のコラーゲン,エラスチン,ムコ多糖類の断片化などの構造変化が原因で,シワやたるみが起きることが動物にUVを照射する実験において確かめられている.…中略…UVをによりメラノソームが過剰に活性化されると通常よりメラニンが多く産生され,それがシミとして残ることになる.

出典: 小林静子. 紫外線B波照射による皮膚障害とその予防・治療 J-STAGE.(参照 2020-07-21)

過剰な活性酸素による肌サビは、シワやシミの原因になり、肌老化を加速させ、肌トラブルが発生しやすい状態を招いてしまいます。

参考文献:小川文秀,佐藤伸一,酸化ストレスと皮膚-光老化から全身性強皮症まで,日本臨床免疫学会会誌, 29(6),349~358(2006)

過剰な活性酸素を除去し、肌サビを防ぐために大切なのが、紫外線対策と生活習慣の見直し。そして、抗酸化作用のあるスキンケアを使うこと。
身体の内外から抗酸化成分でアプローチし、過剰な活性酸素を追い出して、肌サビを防ぎましょう

まずは紫外線対策が第一!

まずは紫外線対策が第一!

紫外線は日常生活の中で、最も多く触れる「活性酸素発生源」です。肌サビを予防するためには、まずは紫外線対策をきちんと行うことが重要。天気や季節を問わず日焼け止めを塗ったり、UVカット効果のあるメイク用品を使うことをおすすめします。

日中に家で過ごす時間が長い場合は、紫外線カーテンや紫外線カットフィルムを取り付けても良いかもしれません。また外出時は、日傘や帽子ストールなどUVカット効果のある小物をコーディネートに取り入れることで、おしゃれを楽しみながら紫外線対策を心がけてみてください。

食生活で肌サビを防ごう!

食生活で肌サビを防ごう!

抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂り、身体の内側から肌サビを防ぐことも大切です。
下記を参考に、食生活も見直してみましょう。

<フィトケミカル>
アサイー、ベリー類、緑茶、ゴマ、にんじん、トマト、鮭、ショウガ

<ルチン(ビタミンP)>
蕎麦

<リコピン>
トマト、スイカ、

<ビタミンE>
アーモンド、ナッツ、ごま

<ビタミンC>
レモン、小松菜、ピーマン などの果物類や野菜類

<アスタキサンチン>
エビ、カニ、鮭

いくら抗酸化成分が身体に良いからといって摂り過ぎてしまうことも問題があるそう。
例えば、ビタミンCを大量に摂ると、ビタミンEの必要量も増えてしまい、過酸化脂質が過剰生成されてしまうことに。
また、抗酸化物質が新たな活性酸素の種となる場合もあるそう。
適量を自然に摂れるよう、意識しておくことも大切です。

抗酸化作用のある化粧品を取り入れよう

肌サビを効果的に予防するためには、抗酸化作用のある化粧品やスキンケアアイテムを取り入れましょう。
毎日のスキンケアの中に抗酸化成分を取り入れれば、きっと肌サビの予防にも役立つはずです。

抗酸化が期待できる成分

まずは、抗酸化作用が期待できる成分として代表的な「ビタミン」と「ポリフェノール」をご紹介します。

<ビタミンA・C・E>
ビタミン類は抗酸化作用を持つ成分として代表的。

ビタミンAは食品中にβ-カロテン(カロテノイドの一種)として多く含まれますが、このβ-カロテンには活性酸素の発生を抑え、取り除く働きがあります。ビタミンEは抗酸化作用のほか、細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。ビタミンCもまた過酸化脂質の生成を抑える働きを持っています。

出典:高橋将記. 活性酸素と酸化ストレス e-ヘルスネット.(参照 2020-07-21)

特にビタミンA・C・Eは抗酸化ビタミンとして知られており、コラーゲンの生成を促進させたり、活性酸素を除去したりする効果が認められています。

<ポリフェノール>
ポリフェノールも植物に含まれている抗酸化成分のひとつです。ブルーベリーに含まれるアントシアニン、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボンなどが代表的。
ポリフェノールにはさまざまな種類がありますが、普段の食事から取り入れやすいので、積極的に食べるようにしたいものですね。

ビタミン・ポリフェノールが豊富な化粧品成分

ビタミン・ポリフェノールが豊富な化粧品成分

植物にとって過酷な紫外線の強い地域で育ったものに多く含まれると言われ、日本では沖縄の「月桃」や「ノニ・シークワーサー」は、力強いビタミンやポリフェノールを多く含む優秀な成分として注目されています。

<月桃>
月桃は豪雪地帯や海に囲まれた塩害下の環境でもたくましく成長するハーブ。沖縄の厳しい紫外線環境の中でもすくすくと成長しますが、それは抗酸化作用のおかげかもしれません。

最近では美容パワーを秘めた植物として注目されており、抗酸化作用はもちろんのこと、抗菌作用・抗炎症作用・コラーゲン分解抑制作用など、肌サビ予防にうれしい効果をたくさん秘めていると言われています。

<ノニ・シークワーサー>
ノニ・シークワーサーも沖縄で育つ植物。

カンキツ果皮に含まれるノビレチン等ポリメトキシフラボノイドは、ナチュラルキラー細胞を活性化し、がん細胞に対する細胞傷害活性を強める働きを持つ。

出典:齋藤武,阿部大吾,野方洋一. ノビレチン等ポリメトキシフラボノイドはナチュラルキラー細胞を活性化する 農研機構.(参照 2020-07-21)

細胞が自分自身を守るための働きを高める「ノビレチン」という成分を含んでおり、肌サビや老化による病気の予防に効果があるとされています。


参考文献:齋藤武,阿部大吾,野方洋一,ノビレチン等ポリメトキシフラボノイドはナチュラルキラー細胞を活性化する,農研機構.(参照 2020-07-21)

若々しくハリのある肌を保つには「抗酸化成分」が◎

活性酸素は細菌の感染からわたしたちを守ってくれ、細胞間のシグナル伝達にとって欠かせないものですが、細胞を傷つけて肌サビをつくり出すことも。さらに、加齢によって抗酸化酵素の働きは衰えてくるので、意識的に抗酸化成分を取り入れることが大切です。

今回の記事では、代表的な抗酸化成分として「ビタミンA・C・E」「月桃」「ノニ・シークワーサー」「ポリフェノール」をご紹介しました。これらの成分が配合されているスキンケアアイテムを使いながら、普段の食事にも意識を向けて、外側と内側の両方から肌サビを防ぎ、若々しいハリのある肌を目指しましょう。

<この記事の監修>
株式会社ケアリングジャパン
スキンケアカウンセラー 今泉

10年以上、無添加・ナチュラル・オーガニックといった化粧品の企画販売に従事。多様化する生活習慣・肌質・嗜好を尊重しながら寄り添う情報発信を心がけている。

【資格】
日本スキンケア協会:スキンケアカウンセラー
国際オーガニックセラピー協会:オーガニックコスメセラピスト

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