肌育コラム

COLUMN
2018.08.30

何もつけないスキンケア「肌断食」に
成功する人と失敗しやすい人の特長

何もつけないスキンケア「肌断食」に成功する人と失敗しやすい人の特長

スキンケアアイテムを一切使わない「肌断食」。肌本来の力を取り戻すために効果的な方法だと話題になっていますが、実は失敗してしまうケースもあることをご存知ですか?

肌断食は正しい方法で実践すればリスクがありません。しかし、正しい方法で行っていくためには、注意点や、自分に合った方法を知ることが大切。今回の記事を参考に、あなたに一番適した肌断食の方法を見つけてください。

肌断食とは

最近よく目にする「肌断食」というスキンケア法。実際にどのようなものかご存知ですか?まずは「肌断食」とはどのようなものなのか、基本的な知識をお話ししていきます。

肌断食ってどんなスキンケア?

「肌断食」とはスキンケアをやめることで、肌本来の力を引き出すこと。肌のお手入れは「肌を甘やかすもの」という考えから、甘やかすことをやめて、バリア機能や保湿機能を高めることを指します。

肌を甘やかさなければ、肌の力がよみがえって、活力あふれる状態になる…と考えることが「肌断食」の基本的な考え方です。

また、スキンケアアイテムや化粧品の中に含まれている、化学物質からの影響を受けなくなることも肌断食の特徴。敏感肌の人や、化粧品で肌荒れが起きている人であれば、肌断食でトラブルが解消できる可能性もあるでしょう。

肌断食の具体的な方法は?

肌断食の具体的な方法については、ハッキリ定義づけられていません。多くのパターンがありますが、次のような方法で行っている人が多いようです。

・洗顔だけをしてスキンケアアイテムは一切使わない
・メイクをやめて洗顔は水・ぬるま湯だけ

メイクもやめる肌断食はかなりハードなものですが、肌への美容成分の影響をすべてストップさせるならメイクも不要なもの。

肌断食を実践するためには、スキンケアスタイルを根底から変える必要があるでしょう。どうやって肌断食を進めていくかについては、次でお話するように、ご自身の肌質やライフスタイルにあわせて選んでくださいね。

その方法で肌質やライフスタイルで選ぶ3つの肌断食の方法

肌断食はいいことづくめ! かと思いきや、実はそうでもありません。
「肌断食」をキーワードにweb検索すると“失敗”の文字だらけ。しかも、失敗した人の肌が、目を覆いたくなるような惨事になっていることも少なくありません。

肌断食の方法は、「とにかく何もつけない」というストイックなものから、週末だけ、夜だけといったプチ断食までさまざま。いずれにしても、肌の状態を変えるために一定期間続ける必要があります。実はその過程で、過保護の状態から放り出された肌が一時的に荒れてしまう人が多くいらっしゃいます。

特に、乾燥気味の肌の人は、要注意。いきなすべてのケアをやめてしまうと肌を守るものがなにもなくなってしまうため刺激をモロに受けてしまいます。
肌断食を成功させるには、自分の肌が肌断食に適している状態か、また、どの方法が合っているかを見極めるのがポイントになります。
肌断食の代表的なのが以下の3つです。

【1】徹底的な化粧品オフ

医師の宇津木龍一さん考案の「宇津木式」と呼ばれる方法。すべての化粧品をやめ、以後もずっと化粧品を断つ肌断食を言います。スキンケアはぬるま湯で洗顔のみ行うのが基本。乾燥する場合は少量のワセリンを塗ってもOKですが、メイクも日焼け止めもNGです。開始して2か月間に起こる肌荒れを乗り越えれば、毛穴レスのツルツル肌を保てるといわれています。

【2】週末肌断食

美容家の佐伯チズさんがおすすめしていた方法。金曜日の夜にメイクを落としてから、日曜日の夜まで一切何もつけずに肌を休めます。肌がつっぱるときのみ油分をごく少量を補います。肌質を改善するというより、1週間の肌疲れをリセットする、スキンケアの延長のイメージです。

【3】夜だけ断食

「肌は夜育つ」という観点から、夜だけ化粧品の使用をやめる方法。いつもどおりにメイクを落としたら何もつけずに就寝し、翌朝は普段通りのスキンケアをしてOK。メイクをする場合は純石鹸でも落とせるミネラルファンデーションなどを使い、クレンジングを使わなくて済むようにするのがコツ。美容液やクリームに頼らない肌に戻すのが目標です。

肌断食で起こりやすい肌のトラブル

肌断食をすると、稀に肌のトラブルが引き起こされることもあります。

肌の乾燥・つっぱり感

洗顔後のスキンケアをやめると、肌の乾燥やつっぱり感が感じられることがあります。洗顔後の肌は油分が失われ、水分が逃げやすい状態。

今までの水分・油分を補うためのスキンケアをやめたことで、肌が乾燥していると感じられることは多いようです。もし洗顔料を使った肌断食で「乾燥がひどい…」と感じられた場合は、水やぬるま湯だけの洗顔にしてみるのもひとつの方法ですよ。

日焼け

メイクをしない肌断食では、UVケアもやめることになります。そのため、肌は日焼けしやすい状態に。

スキンケアをしていない肌は水分量が減り、紫外線からのダメージも受けやすくなっています。さらに、ファンデーションや日焼け止めのUVカット効果が失われることで、日焼けに悩んでしまう人も少なくありません。

肌断食をしているときも、紫外線ダメージはしっかりとカバーしましょう。日焼け止めは使う方法で肌断食をするか、日傘や窓に張る紫外線カットフィルム、紫外線カットカーテンで肌へのダメージを防いてくださいね。

肌断食を成功させるポイント

トラブルを避けながら肌断食を成功させるためには、実践するときのポイントを知っておくことが大切です。人によって合う方法、合わない方法もあるでしょうから、ご自身にとって無理のなく始めることが成功への近道。

それでは、肌断食を成功させるためのポイントをご紹介していきます。

軽い肌断食から始めること

肌断食に始めてトライするという人は、まず軽く、少しずつ始めるようにしましょう。

いきなり「メイクも洗顔もスキンケアもやめる!」のではなく、メイクだけやめる、スキンケアだけやめる…など、様子を見ながら少しずつ進めていくことがポイントです。

期間限定で実践してみる

肌断食は毎日ではなく、週末だけ、1週間に1日だけなど、期間を限定して始めてみてもOK。

ストイックな肌断食をしたくても、平日の“きちんとメイク”を避けられない方もいますよね?そのような場合は、まずは週末だけ実践してみましょう。

また、肌が乾燥しやすい人、肌が弱い人もこの方法がおすすめ。 週末だけの肌断食でも、1週間の肌の疲れをリセットするために役立ちますよ。

夜だけ肌断食をする

夜だけ肌断食をする

朝は普段どおりのスキンケアとメイクをしながら、夜だけ肌断食をするという方法。肌は眠っている間に成長するので、肌にとって大切な時間帯である夜だけスキンケアをやめてみましょう。

ただし、日中はメイクをすることになるので、夜の洗顔はどうしても必要になります。日中のメイクが薄い人や、スキンケアをしなくても皮脂を分泌させられる人に向く方法です。

メイク・洗顔料・スキンケアを一切やめる

徹底的に肌断食をする方法。メイク・洗顔料・スキンケアのすべてを行わないというハードな肌断食です。

このタイプの肌断食に向いているのは、もともと肌が強い人。そして、日中にメイクをする必要がなく、皮脂分泌がしっかりできる肌質の人です。

敏感肌の人がいきなりこの方法で肌断食を始めると、トラブルが起きてしまう可能性があるので、ご自身の肌質をよく見極めてから始めてくださいね。

肌断食が失敗しやすい人の特長

実は、お話してきた成功ポイントを守っても、肌断食に失敗してしまう人もいます。肌断食には向き不向きがあり、肌質やライフスタイルによっては失敗してしまうこともあるので、慎重に行っていくことが大切です。

それでは、肌断食が失敗しやすい人とは、どのような人なのでしょうか。その特徴についてお話していきます。ご自身の肌質やライフスタイルと照らし合わせながら、肌断食をするべきかどうか見極めていきましょう。

肌バリア力が弱い人

肌のバリア機能が弱い人は、肌内部の水分キープが難しいので、肌断食に失敗してしまう可能性があります。

これまでお話してきたように、スキンケアで水分や油分を補わないのが肌断食。バリア機能が弱っている肌へのスキンケアをやめると、内部の水分が逃げ、乾燥が悪化してしまうことも。

大気や紫外線などの刺激に弱い人、化粧品でヒリヒリしやすい人は肌のバリア機能が弱っている可能性があるので、肌断食をするならより一層、慎重に行うようにしてください。

生活習慣が乱れている人

生活習慣が乱れている人

日々の仕事や家事に追われ生活習慣が乱れがちになっている人は、自律神経の乱れで血行が悪くなり、肌への栄養が行き渡りにくくなります。その結果、肌のターンオーバーの乱れにより、キメも乱れ、肌バリア機能が低下しがちな状態に。前の項目でお話したように、「肌バリア力が弱い人」の状態になっている可能性があります。

肌断食を行うときは、生活習慣に気を配ることも必要です。規則正しい生活を送って、バランスの良い食事を心がけ、ストレスを溜めないように気をつけましょう。もし「最近睡眠不足かも…」「食事のバランスが悪くなっているかも…」と感じるなら、しっかりと整えてから肌断食にチャレンジしてくださいね。

日頃、しっかりメイクが必須な人

日中にしっかりとしたメイクをする必要がある人も、残念ながら肌断食はおすすめできません。

しっかりとメイクをしている方には、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料が必要ですよね。洗顔によって必要以上の皮脂が洗い流されてしまえば、過度に乾燥しやすい状態になってしまいます。

このタイプの人は、ご自身の肌質や皮脂の分泌状態とよく相談をしながら、メイクをしない週末だけ肌断食をするなど、期間限定で取り組むとよいかもしれませんね。

あなたに合った肌断食でうるおい美肌に!

肌本来の力を引き出してくれる肌断食。メリットもデメリットも両方ありますが、スキンケアを見直すきっかけとして取り入れてみると、驚くほどうるおった肌が実現するかもしれません。

肌断食の方法はひとつではなく、ご自身の肌質やライフスタイルによって選択するもの。「少しずつ始めてみる」「週末だけ実践してみる」など、正しい方法を選んでチャレンジしていけば、失敗するリスクも少なくなっていきますよ。

たくさんのスキンケアアイテムを塗り重ねてきたという方は、一時的に離れ、ご自身の肌と向き合ってみてはいかがでしょうか。肌断食で、あなた本来の美しさを取り戻せるかもしれません。

<この記事の監修>
株式会社ケアリングジャパン
スキンケアカウンセラー 今泉

10年以上、無添加・ナチュラル・オーガニックといった化粧品の企画販売に従事。多様化する生活習慣・肌質・嗜好を尊重しながら寄り添う情報発信を心がけている。

【資格】
日本スキンケア協会:スキンケアカウンセラー
国際オーガニックセラピー協会:オーガニックコスメセラピスト

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