肌育コラム

COLUMN
2018.08.30

オーガニックコスメで得られる肌効果や気を付けるべきこと

オーガニックコスメで得られる肌効果や気を付けるべきこと

本当のオーガニック&ナチュラルを知ってほしい!
オーガニック&ナチュラルコスメは人や環境に配慮した製品…
肌に優しいという直接的な意味ではありません

オーガニックやナチュラルコスメを使い始めると様々な情報を集めはじめ、経皮毒を知り、いろんな成分が怖くなって使えなくなってしまうという人がいます。特に多く言われるのは界面活性剤や防腐剤、着色料、香料、紫外線吸収剤などでしょう。

さて、これらを排除すれば安心だろうか…?
果たして美しくなれるのだろうか…?
あなたはどう思いますか?

もちろん、これらの成分類にアレルギーがあれば考える必要も在りませんし、化粧品成分の中には懸念成分が存在するのも確かです。

でも、オーガニックやナチュラル思考の人たちの中には、コスメに使われる多くの添加成分をすべて排除することで肌の調子が整うと思っている人たちが意外にも多い現状です。だからよく聞くのは、究極シンプルケアを目指して、スキンケアは芳香蒸留水とオイルだけつかっているという人もいます。でもそうしたケアで無謀な肌断食をして、乾燥を感じているのに「きっといつかは良くなる!!」と信じて、同じケアをずっと続けている人も少なくありません。

こうなると、たとえ究極ナチュラルなケアであっても、肌に合わせてケアができないことも起こります。
不安な成分を除くだけではなく、自分の身体や肌と会話をしてインナーケアを整え、化粧品での肌の保湿バランスを、的を得た形でしなければケアは出来るはずもないからなのです。

それに、私たちリアルオーガニックやナチュラルの世界では、化粧品の成分に関しては単純に身体に悪いからとすべての化学合成成分の完全排除を謳っているわけでも何でもありません。それはもっともっと深い意味で、人や環境に配慮出来るかどうかでジャッジがかかります。

例えば使われている成分が日本の化粧品の業界では「安全性の高い成分です。」と言われていても、EUの環境ホルモンリストにのせられていたり、生分解しない成分であれば、人や環境に配慮していない成分とみなされます。

また、ナノ成分やナノ技術など人の身体に取り込みやすいものへのリスクは安全性が確立されていないわけで、「安全です」という保障は、長く使った場合や他の製品との相性、購入者の使い方など想定外な事故も考えると懸念です。

美白化粧品の白斑の原因となった成分のように、今の化粧品業界は未知の領域までアプローチできる成分をどんどん作リ、肌の奥まで浸透させていこうとする傾向があります。そもそもオーガニック・ナチュラルコスメと一般コスメはスキンケアの考え方やアプローチが違いますから、人の身体や肌の機能に影響するものにはオーガニックコスメは規制をかけているのです。

現在、偽物オーガニックの化粧品が増え、多くのケミカル成分に天然成分を配合したハイブリッドコスメや融合コスメがどんどん出ていますが、オーガニックコスメの本質を知ると、融合などできるわけがないというのが本当の吐露なのです。

かたや、オーガニックコスメに使われる天然成分でも、人によっては使えないほど強い刺激成分はたくさんあります。また洗浄が得意な石けんを乳化に使い、クリームとして売っているものや、防腐なども天然成分や食品に使われる防腐剤でまかなうため、腐敗、酸化への安全性、成分の刺激性などを指摘する化粧品専門家もいます。

これに関してはメーカー自身が流通をどこまで大きくさせたいかで考えていかねばならないところでもあります。
たくさんのお店に販売したいなら防腐剤はしっかり入れなければ製品の安全性は確保できないでしょう。逆に防腐をあまり使いたくなければお客様に直接手渡せる方法で販売しなければならないと思います。オーガニック、ナチュラルコスメ業界も多くの改善点があるのは確かですね。

オーガニックコスメの利点は、自らの潤いが高まる「肌力」を呼び覚ますもの。それには必要以上の添加物は邪魔なのです。

人間はそもそも未知の域に浸透させる美容成分や、長く持つような防腐剤たっぷりの製品をそこまで必要としているのか?というところもかえりみる必要がありますね。というのも、腐りにくいものを作るという事は人が使うものから遠ざかっていくという事だからです。

本来は水でも油でも、新鮮な状態のものを使うのが好ましいはずです。これは食べ物と同じですね。例えば食材を冷蔵庫に入れておけばぜったい腐らないというわけではないでしょう?だからいつでも食べられるように、常温でも保存が長く効くような加工をされるものが増えたわけですね。
便利になればそれだけ添加物が入る。そういうことなのです。

化粧品も同じで、常に菌との闘いであることと、成分同士の調整や相性、製品としての使用感、効果、もち、香り、仕上がり…などなどの様々な不具合の調整をされるわけです。その結果、多くの製品は人の肌につけても大丈夫だろうか?と思ってしまうほど、いろんな成分を入れているのは確かだと思います。

私自身も今までそうした化粧品を散々試したことで、皮膚が薄くなり、アレルギーを発症。結果、化学物質過敏症になってしまいました。まさに昔の私は現代の化粧品でボロボロ。身をもって経験してきたからこそ、改めて身体や肌に必要なものを考え直したら、自らの潤いを取り戻すことできました。

それは「危険な成分を使わない!」という事の前に、肌を知り、今の自分に必要なものだけを取り入れたらみるみる変わってきたという事。そして気づいたらそれはいつの間にか環境に良いものばかりだった。

環境配慮といえば、そう、オーガニックコスメというつながりなんですからね。

そして私がやったことと言えば…
・肌の生理機能に合わせた理にかなったケアをする
・軽い洗顔で落ちるメイクに変える

この2つだけ。そして、あんなにたくさんのコスメを使っていたのにどんどん数が減っていく。

不思議でしたね~。
沢山使っていた頃のほうが肌はボロボロでした。

本当のオーガニック&ナチュラルは人の身体や肌に対して健康に導くためのもの。シミや小じわ、肌荒れを事前に防ぐために、肌自体を強くするもの。

ヨーロッパのコスメブランドの中には、ハーブのレメディから始まったところがいくつもあります。ハーブはお薬として活用され、そのエキスは化粧品にも使われています。ハーブには、抗炎症、保湿、活性、抗菌、防腐、芳香、抗酸化などなど様々な薬効が含まれている。だから効果があって当然なのです。

それに天然の鉱物など、はるか大昔から使われてきた自然原料を使っているのですからまさに人間を癒すコスメといえるでしょう。現代の表面だけのあか抜けた美容を求める人が使うハイパーコスメの役割とは根本的に違うのですね。

この数年、現代の多くの方がオーガニック&ナチュラルに移行が始まっている理由には、化学合成成分の過剰使いや、落ちにくいメイク、そしてコスメの使い方が悪いことによって肌荒れが治らなくなっていることだと思います。

だから今後は、さらにオーガニック&ナチュラル業界の需要は増えていくでしょう。自然の力、もっと信用してみるとあなたの肌悩みも解決するかもしれませんよ!

ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子 <この記事の監修>
ナチュラルコスメプロデューサー 小松和子

ナチュラルコスメ・パーソナルプロデューサー CM、TV、映画など数々の分野でフリーのヘアメイクアップアーティストとして活躍。自身の化学物質化敏症を機に肌と化粧品に関する知識を独学で学び、2008年よりナチュラルコスメ専門ヘアメイクアップアーティストとして転身。 現在は化粧品、店舗などのプロデュースをはじめ、講演・講座などで活躍。カウンセリングやメイク講座は即日予約が埋まるほどの人気。

ナチュラルライフ&ビューティースクール
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