肌荒れだけでなく、体調にも影響するので自律神経の乱れていると考えられる場合は、まず自律神経を整えることを意識してみましょう。
ここでは生活習慣と食生活の改善による具体的な対策方法を紹介します。
どれも規則正しさなどが求められるものが多いですが、心身の健康のためには大切なことです。少しずつでも実践できるように今の生活習慣をできることから少しずつ調整してみてくださいね。
1.生活習慣の見直し
肌荒れしにくい肌を保つためには、睡眠や入浴、運動、ストレスケアなど生活全般を見直すことも大切です。下記のポイントを確認しておきましょう。
睡眠
睡眠不足は肌にとって大敵。肌の新陳代謝を活発にする成長ホルモンは就寝後、最初のノンレム睡眠90分~120分(合計1時間半~2時間)に多く分泌されます。※
参考:e-ヘルスネット:ノンレム睡眠(のんれむすいみん)
※深く眠るポイント※
・就寝前2時間は食べ物を口にしない(就寝時には血糖値が下がった状態にしましょう)
・就寝1時間前に入浴して身体を温め、眠るころに体温が下がるように調整する
・就寝前の1時間は脳を覚醒するようなことをしない
目覚めたときに、太陽の光を浴びることでメラトニンという睡眠ホルモンが抑えられ、その後14時間ほどで分泌されて眠くなるため、生活リズムを整えやすくなります。※
就寝後2時間の眠りの質を高めて成長ホルモンを分泌させ、肌をしっかり回復させることも大切です。
参考:JSTAGE:(PDF)地下空間の照明環境~サーカディアンリズムの観点から~
入浴
入浴することで血行が良くなり、肌の新陳代謝も高まるので肌荒れ対策に効果的です。
朝にお風呂に浸かることで交感神経を高めやすくなります。温度は高すぎず、39~41℃くらいがおすすめ。※1。
夜は38℃以下のぬるめのお湯に25~30分ほど浸かってリラックスしましょう。副交感神経が活発になります※1。
また、入浴時に注意したいのは、湯船の温度と洗いすぎです。
熱すぎるお湯に長時間浸かると、必要な皮脂が奪われて肌が乾燥しやすくなり、肌荒れの原因になりかねません。顔やカラダをゴシゴシ洗うのもNG。汚れを落とそうと強くこすって洗うのも肌のバリア機能低下につながり、肌荒れの原因となってしまいます※2。さらに、身体(内臓)をあたため過ぎると眠れなくなるので寝る2~3時間前までに入浴をすませましょう。※3
参考※1:JSTAGE:(PDF)入浴中の循環動態の変化に関する基礎的研究
参考※2:JSTAGE:(PDF)皮膚の水分量・油分量・pHならびに清浄度からみた清拭の効果
参考※3:JSTAGE:(PDF)ヒトの体温調節と睡眠
ストレス解消
ストレスによる自律神経の乱れは、血行不良につながり、ターンオーバーが滞り、肌荒れの原因となってしまいます。
また、ストレスによって男性ホルモンを分泌されると、皮脂の分泌量が多くなり、ニキビや毛穴の目立ちなど肌荒れを起こしやすくなることも。毛穴が開くと化粧品や汚れが溜まりやすくなり、角栓の形成につながることもあるので※、美肌をキープするためにはストレスへの対処もとっても大切。
ストレスへの対処に3つの「R」が大切と言われています。
・Rest 休息
・Recreation 娯楽
・Relax 休養
どれかが必要なのではなく、どれもバランスよく必要です。
毎日、無理なく続けられるちょっとした娯楽や自分にとっての休養(アロマ・ストレッチなど)、そして休息(睡眠)。
自分に合ったストレス発散方法を見つけて、溜めずに解消するように心がけたいですね!
参考※:JSTAGE:(PDF)化粧品製剤におけるナノ粒子の活用
2.バランスのよい食事
肌荒れをしにくい肌を育み、肌荒れを起こしても回復しやすい状態を保つためには、バランスのよい食事も大切な要素です。
特に次のようなポイントに注意して、肌にやさしい食生活を意識してくださいね。
ビタミン・ミネラルを積極的に摂る
肌の状態をキープするために欠かせない栄養素は、ターンオーバーを促すビタミンやミネラル。肌の生まれ変わりを助け、肌荒れ予防にもつながります。また、肌内部の水分キープや弾力アップ、キメを整えてくれる効果もあり、肌全体の印象を若々しくしてくれるはずです※。
ビタミンとミネラルは野菜・果物・海藻類・きのこ類に多く含まれています。牛乳にはタンパク質とビタミン類、ミネラルであるカルシウムが含まれているので、意外にも肌のハリ・ツヤをキープするために効果的ですよ!
参考※:JSTAGE:(PDF)ビタミン・ミネラルと食物繊維をバランスよく含むシリアルは若年女性の肌状態に好影響を及ぼす
発酵食品で自律神経を整える
発酵食品が美肌づくりに役立つことをご存知ですか?発酵食品を食べることで腸が元気になるため、自律神経を整えやすくなります。実は、アスリートの方もメンタルケアのために「腸内環境改善」を意識した食事を取り入れているそうですよ。
腸内環境は自律神経と深く結びついていて、腸が不健康だと自律神経のバランスも乱れて肌荒れが起こりがちに。腸はもともと脳がリラックス状態のときに働く「副交感神経」に支配されているので、脳が活動状態の「交感神経」が活発になると働きが低下します。この「交感神経」を活性化させる一因がストレスなのです。さらに、ストレスは腸内の悪玉菌を増やすという報告も…。
納豆・味噌・ヨーグルト・キムチ・チーズなどの発酵食品は腸内環境を整えてくれるので、腸から自律神経のバランスを整え、美しい肌をつくるために積極的に取り入れましょう※。
参考※:JSTAGE:(PDF)こころとからだの免疫学