私がまだヘアメイクアップアーティストになりたての頃の話です。
当時はトレンディドラマ全盛期時代。
TVドラマや映画がふんだんに作られ、私もたくさんのお仕事をやってきました。
撮影業界に入りたての頃は、会社で支給されたオーガニックコスメではないメイクアップ製品でお仕事をしていたのですが、今思えば、当時のメイクアップ製品は、現代のような劇的に使用感が改良されたハイパーコスメとは訳が違い、ごくごくシンプルな作りのものが多かったように思います。
それはどういう事かと言いますと、ドラマや映画の中で、涙のシーンや汗をかくシーンなどは水分でメイクが落ちてしまい、そのたびにメイクを直すのが大変だったからです。
30代以降のかたならわかるかもしれませんが、昔、テレビを見ていて、歌手やドラマの主人公が涙を流したときに涙の流れた通りにファンデーションが白く落ちていたり、マスカラが目の下に黒くついてしまっていたのを見たことがなかったでしょうか?
一度涙が流れると、その部分はメイクが取れてしまう。
だから、そういうお芝居のシーンでは女優さんから片時も離れずに、常に崩れたメイクを直していなければなりませんでした。
ところがほんの数年したころから、涙を流してもメイクが崩れないという現象が起きました。実はそれがベースメイクにシリコーンが汎用し始めたということです。
おそらく今から30年ほど前です。
それと同時に今度はオイルクレンジングという画期的なものがたくさん出てきました。
そうした製品が出てきた以降から、女性たちの極端な乾燥肌が始まってきているように思います。
化粧品のシリコーンの歴史はまだまだ浅く、私たちの今の時代のものなのです。
でも、以前のコラムでもお話ししましたマイクロプラスチック問題を考えると、そんな浅い歴史で、すでに地球上の海に影響を与えていると考えると、あと数十年たったとき、環境や健康に対し、取り返しのつかない状況になってしまうのではないでしょうか?
できるだけ自然に配慮したものを使うという事は、必然的にオーガニック製品を選ぶことにつながっていきます。だから私たちは、時折オーガニックやナチュラルコスメのことを環境保全や社会貢献の意味を含めて「エシカルなコスメ」と呼ぶこともあります。
私がオーガニック業界のお仕事を始めたころは、今のようにここまでオーガニック製品が無く、インターネットでもまだまだ情報が少ない時代でした。それに日本は高級ブランド大好きだし、ケミカルだらけの世界一化粧品大国ですからオーガニックコスメは一部の肌の弱い人が使うものだと思われていた傾向もあるようです。
ところが日本は、東日本大震災をきっかけに人々の安全や健康の意識が変わってきたように思います。
急激に代替医療が盛んに広がり始め、西洋医学に頼る前に自分で健康管理をするための知識を学ぶ人が増えています。その種類はたくさんあり、アーユルヴェーダ、植物療法士、アロマセラピスト、クレイセラピスト、ホメオパシーなどなど様々です。ヨガやピラティス、ジムに通う人も増え、サプリメントアドバイザーなどあるように過剰なほど健康ビジネスも盛んになりました。
さらにこうしたホリスティックな健康美容は、そこに使われている製品や原料が不要なもので汚染されていないオーガニックやナチュラルである必要があります。なぜならこれらはみな食や化粧品などに活用され、私たちの身体に足りないものを補い、調節し、不要なものを出すというところで共通していて成り立っているからなのです。
私が化学物質過敏症になった後、こうした自然の力を生活に取り入れることがどんどん増えてきました。
例えば日常で簡単なことといえば・・・
熱を出したとき、梅干を焼いて番茶に入れて飲む。
捻挫をしたとき、グリーンイライトというクレイを使いシップ代わりに。
夜、寝つきが悪い時、レメディを活用。
自分の体調や、緊張するシーン、心に変化があった時などはフラワーレメディ―で調節。
肌の調子を整えたり、身体のデトックスをしたいときはヘナをします。
スキンケアに限らず、心身の健康のために自然の力をこんな風に簡単に、地球を汚さず、生活に取り入れることができます!
最後に・・・
オーガニック・ナチュラルを「選択」することは
けして特別なことではありません。
でもそれはとても深い意味を持ちます。
その選択は人のためだけではなく自分のためでもあり、
あなた自身の人生の選択なのです。
是非あなたも、オーガニックナチュラルで本物の健康と美しさを手に入れてください!