肌育コラム

COLUMN
2018.12.27

ブルーライトで肌老化が加速!
「スマホ焼け」にご注意を

ブルーライトで肌老化が加速!「スマホ焼け」にご注意を

普段スマホやPCをどれぐらいの時間を使用していますか?その間、紫外線と同等の負担をかけているとしたら…。

ブルーライトの健康への影響が指摘されていることはご存じのはず。視力が落ちる、睡眠障害を引き起こすなどといった話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ブルーライトがこれまで、目への負担が注目されてきましたが、実は、肌にも影響を与えているかもしれないのです!

そもそもブルーライトとはどんなものなのでしょう?
人が目で見ることができる波長の電磁波=可視光線のなかで、もっとも短い波長(380~500nm)を持った光のこと。人工的に作り出す光のエネルギーとしては最も強力で、そのパワーは、可視光線の中でもっとも強い紫外線に近く「第3の紫外線」といわれています。

実はブルーライトは、生活に欠かせないもの。

先述のスマホやパソコンだけでなく、照明や電化製品でも活用されています。例えば、ジェルネイル硬化用LEDライトの青い光、あれがブルーライトです。

多くの人が長時間浴びていることになるため、その影響が懸念されてきました。

【ブルーライトを主な光源とするもの】
ガジェット関係:スマートフォン、パソコン、タブレットなど
電化製品:テレビ(フラットスクリーン)、ゲーム機など
電灯:LED照明、蛍光灯など

ブルーライトで肌老化のリスクが2倍に!

そんな強力な光を毎日受けると、肌にはどんな影響があるのでしょう?

ブルーライトが肌に悪いのでは?というのは、以前から言われてきました。

その根拠として、目に強い光を受けることで睡眠の質が下がることによる弊害、目の疲れによる血行不良、体内リズムの乱れによる自律神経への影響などが挙げられます。

また、直進する性質を持っているため、紫外線B波よりも肌の奥に入り込み色素沈着の原因となる可能性があるということも…。

こうした症状を「スマホ焼け」と称して、美容業界でも研究が進められてきました。

実は、2018年5月の国際皮膚科学会議(IID)でブルーライトによる「皮膚細胞への影響」について、気になる研究結果が発表されました。

それによると…

○ブルーライトの照射は細胞の活性酸素やフリーラジカル産生が2倍に亢進し、DNA損傷が50%増加する。
○時計遺伝子「per-1」の発現を低下させ、皮膚本来の夜間の細胞修復メカニズムを阻害すると同時に細胞内の強いイメージを与える。
○持続性があり、照射後も数時間影響を受けつづける。



参考:ELGC株式会社 https://m.esteelauder.jp/media/sciencerelease/20180528_BlueLight.pdf

つまり、ブルーライトは肌を老化させる活性酸素やフリーラジカルを増やし、傷ついた細胞を修復するパワーが落ちる可能性があるということ。

活性酸素はシミのみならず、シワ・タルミなどの原因にもなります。修復するパワーが落ちて細胞の傷が癒えないまま、これらがどんどんダメージが重なっていくことに…。

しかも、一度浴びたら長時間細胞に影響を与え続ける懸念があるというのも無視できません。

また、DNAを損傷する量が増えると皮膚がんへのリスクも上がるため、本来ブルーライトは紫外線と同様に“避けるべき”光と言えるのです。

避けられない…ブルーライトを防ぐ3つの方法

今やブルーライトを活用した商品が日常生活を支えています。空間照明など、光源になるものから距離が離れていれば大きな害はないそうですが、とはいえ肌にとっては避けるべき“光害”のひとつ…。少しでも影響を防ぐにはどんな対策があるのでしょうか?



【対策1:ブルーライト対策のアイテムを導入】

【対策1:ブルーライト対策のアイテムを導入】

同じ“光害”とはいえ紫外線とは違うので既存の日焼け止めでは効果がありません。最近、さまざまなブランドからブルーライトカットのUVケアクリームやファンデーションなどが登場していているので、ぜひチェックを。

また、毎日のスキンケアは抗酸化成分の入った基礎化粧品にシフトして、活性酸素による肌老化をブロック!ブルーライト対策は同時に、エイジングケア対策であると心得て。

長時間PC作業をする場合は、ブルーライトカットの液晶フィルムや軽減アプリ、アイウエアを導入するのも一考。現在、これらアイテムの目に対する効果については賛否両論あるようですが、肌へのダメージは未知数なので「受ける前に防ぐ」が基本です。

・ブルーライトカットのコスメを投入する
・抗酸化成分配合のスキンケアにシフト
・ディスプレイの明るさ、または青色光の輝度を下げる
・ブルーライト軽減アプリ
・ブルーライトカット専用の液晶フィルムを張って防御

【対策2:夜はブルーライトに接する時間を少なくする】

【対策2:夜はブルーライトに接する時間を少なくする】

生活習慣からもブルーライト対策をしましょう。ブルーライトは入眠に欠かせないホルモン「メラトニン」の分泌を抑えてしまうので、日中のブルーライトの暴露量を考えて睡眠の質を上げるサポートをしていきましょう。

夜は早めに食事を済ませたら、照明を暗めに落としてゆっくりと時間を過ごして。スマートフォンを使用するのは控えましょう。ブルーライトの影響を軽減させることができるうえ、リラックスすることで入眠もスムーズに。

・寝る前2時間前にはスマホ・テレビはオフ!
・早めに照明を落として入眠をスムーズに
・ホットタオルで目元を温めて目も心もリラックスできるケアを

【対策3:食生活で体の中から対策】

【対策3:食生活で体の中から対策】

食生活では、抗酸化成分の含まれる食材を積極的に摂る工夫をしましょう。

“抗酸化”の栄養素といえばビタミンC、ビタミンEなどが有名ですが、残念ながらこれらだけでは効果が期待できないようです。

それというのも、ブルーライトで発生するのは、活性酸素の中でも強力に細胞を破壊する「一重項酸素(いちじゅうこうさんそ)」。コラーゲンやエラスチンなどの肌組織委を破壊し、コラーゲン量そのものも減らし、メラニンの過剰生成にもつながり、シワや色素沈着の原因になる活性酸素です。しかも、一重項酸素は体内では無毒化することができないので、これに対抗する抗酸化食材を取り入れることが大切

おすすめなのが、強い抗酸化作用を含む「カロチノイド」と呼ばれる栄養素です。カロチノイドにはさまざまな種類がありますが、リコピンやアスタキサンチンなどは、聞いたことがあるのではないでしょうか。カロチノイドは、単体で摂るより複合で摂取するほうが、効果を期待できるので、ホウレンソウやトマトのサラダに鮭をプラスするなどして工夫をするのが良いですね。

【一重項酸素の対策におすすめの「カロチノイド」】

ルテイン ケール・ホウレンソウ・ブロッコリーなど
アスタキサンチン 鮭、たらこ、いくらなど
リコピン トマトなど
【対策3:食生活で体の中から対策】

ブルーライトカットのアイテムはどんどん増えてきていますが、生活習慣や食事などの日常生活からも対策をしていくのがおすすめです。

いまやLEDを始めブルーライトが活用されている製品は、日常生活に欠かせません。だからこそ、うまく付き合っていきたいですね。