「健康な肌」は肌表面だけでなく、肌内部や血流、全身のホルモン分泌、腸内環境までももが影響します。そのため、肌は乾燥やストレス等によって簡単に調子を崩してしまいがち。
肌のバリア機能を整えるだけでなく、メンタル面からも良い状態を保っていくことが大切です。
それでは、具体的にどのようなことをしていくべきか、気をつけたいポイントをご紹介します。
敏感肌のお手入れに必要なスキンケア
敏感肌のお手入れには、保湿ケアをしっかりとして「うるおい」を保つことが大切。ご紹介する3つのポイントを意識して、うるおい肌を目指しましょう。
角層のうるおいを保つ
まずは、「角層」のうるおいを保つことが大切。角層とは、肌の表面に出ている一番外側の層のことです。
角層のうるおいをキープしているのは水分です。洗浄力の強い洗顔料を使うことを避け、肌がしっかりとうるおうような良質な化粧水やエッセンスで充分な水分を補給してあげてくださいね。
うるおいが逃げていかないようバリア機能を保つ
角層にうるおいを与えても、すぐに空気中に逃げてしまっては意味がありませんよね。
うるおいをキープしてくれるのは「皮脂」ですが、皮脂分泌量は年齢とともに低下してきます。肌内部のうるおいやキメを整えるためには、適度な油分を補って肌の表面にフタをしてあげるようにしましょう。
肌表面の皮脂膜が整っていないと、バリア機能が低下して肌トラブルが起きやすい状態に。バリア機能の維持をサポートしてくれる油分を補えば、肌に与えたうるおいを逃さずキープできるようになります。
参考文献:山戸 直弥,飛田 和彦,敏感肌向けのアミノ酸誘導体化粧品原料,Fragrance Journal, 30(10),73~79(2002)
メイク・スキンケアのトータルでみて「バリア機能」を壊さない
「洗浄力の強い洗顔料は使ってはいけない」とお話しました。しかし、日中に化粧直しの時間が取れず、メイク崩れも許されない方であれば、「崩れにくいメイク用品」と「よく落ちるクレンジング」が必須となるのは仕方がないこと。
洗浄力の強い洗顔料が必要な場合は、洗顔後に美容オイル・クリームなどをたっぷり使って肌バリア機能を補い、バランスをとることをおすすめします。肌への強い刺激を避けながら、角層のうるおいをキープするようにしてくださいね。
スキンケアでは防げない!?肌とストレスの深い関係
肌(皮膚)はホルモンやこころの影響を受けやすい器官と言われています。緊張・不安・落ち込み…など、こころへのストレスが増えると、肌バリア機能の回復が低下し、角層の水分量が減るという報告も。
肌は紫外線やエイジングで日々ダメージを受けています。そこにストレスが加わることにより肌の調子はだんだん下降気味に…。これが「ストレス肌荒れ」です。
ストレスによってゆらぐ肌への対処法を知っておけば、みずみずしくうるおった肌をキープしやすくなりますよ。
ストレス源を解消・改善する
ストレスを感じているなら、ストレス源を解消・改善していくことを一番に考えましょう。
ただし、ストレス源の解消・改善は簡単ではありませんよね。緊張感は人にとって大切なことですが、肌に影響を及ぼすほどなら生活や環境を見直してみてください。こころと体の健康には、次のような「ソーシャル・キャピタル」が必要だとされます。
・食と栄養
・睡眠
・運動
・生活習慣
・環境
・ストレス管理
・健全な人間関係
スキンケアの枠を超えたお話ですが、根本的な生活や環境を改善することで、悩みのタネだった肌荒れが自然と改善されることもありますよ。
ストレス緩和成分を摂取する
ストレスを緩和してくれる成分を摂取することも、ストレス肌荒れ対策には有効。最近注目されている「GABA」には、ストレスを緩和し、肌のうるおいを保つ効果があるという報告もあります。
GABAには保水作用のあるヒアルロン酸の生成を促すことから、肌内部の水分キープに役立つ成分。さらに、眠りにつきやすくする作用もあると言われていることから、睡眠中の肌修復にも役立ってくれる可能性があるでしょう。
参考文献:外薗英樹,上原絵理子,γ-アミノ酪酸の経口摂取による皮膚状態改善効果,日本食品化学工学会誌, 63(7),306~311(2016)
ストレスや美肌に効果のあるオーガニックサプリをお探しの方は、ぜひこちらの記事もご参考ください。体の内側からサプリメントでケアしてあげれば、ストレスに負けない肌づくりに役立ちますよ。