20~40代の女性にとって非常につらい、女性ホルモンが関わる「PMS」と「若年性更年期障害」という2つの症状。どのような特徴があり、症状が現れるのでしょうか。
まずは基本的な知識からご説明していきますね。
PMS(月経前症候群)
「PMS(月経前症候群)」とは、月経が始まる3〜10日前の黄体期に起こるさまざまな心身の不快な症状の総称で、月経の始まりとともにその症状は軽減もしくは消失していきます。
肌荒れ・眠気・下腹部痛・頭痛・乳房痛・むくみ・便秘・腰痛・イライラや落ち込みなどの精神不安など症状はさまざまで、種類や程度は人により異なります。原因となるのは、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンの分泌量が低下すること。月経がある女性の約50~80%に症状が現れると言われています。
若年性更年期
「若年性更年期障害」とは、実は正式な医学用語ではありませんが、更年期が始まる40代前にも関わらず更年期のような症状が見られる状態をわかりやすくした表した言葉です。無理なダイエットやストレス、喫煙、生活習慣の乱れなどが原因となり女性ホルモンの分泌量が減少することで身体に様々な不調が現れます。
例えば、ダイエットで体内が飢餓状態になると、脳は命を優先して「今は妊娠する時期ではない」と判断し、卵巣の機能をとめて女性ホルモンを出さなくなります。すると生理がとまり、同時にそれまでエストロゲンで守られていた消化器や皮膚、骨、脳など多くの臓器すべてが弱くなってしまいます。
出典:対馬ルリ子著. 女性ホルモンで日本一幸せになれる日本女性. マガジンハウス 2015; 108
いずれも症状が重くなると日常生活に支障を来すことに。また、若年性更年期では、排卵が止まってしまうなどより深刻な身体の不調へと繋がるケースもあります。大事なのは、心身に負荷をかけすぎないよう日頃から自分をちゃんと労ってあげること。また、不調を感じたら無理をせず周りの手助けを借りることも大切なことです。
女性ホルモンとストレスの関係
女性ホルモンの分泌量は、ストレスによって大きく影響を受けます。
ストレスが増えると月経不順になるという女性がいることからもわかるように、ストレスは脳からの情報伝達に影響を与えるもの。
女性ホルモンは脳の視床下部からの指令によって分泌されます。また、視床下部は自律神経の指令を司る器官であるため、精神的なストレスが加わると交感神経が優位になることで身体が緊張状態になり、女性ホルモンの分泌を低下させることに。日々のストレスに意識を向けて、上手に発散していくことが女性の健康維持の秘訣ですね。