肌育コラム

COLUMN
2021.7.1

アトピー改善の3つのポイントは「スキンケア・東洋薬・西洋薬」!

アトピー改善の3つのポイントは「スキンケア・東洋薬・西洋薬」!

つらいかゆみ、赤くカサカサになった肌・・・。良くなったかと思えばまた悪化することの多いアトピー性皮膚炎は、かゆみはもちろん見た目にも気になるものですよね。

ただし、完治の難しいアトピー性疾患も適切なスキンケアと漢方を取り入れていくことで、根本的な改善を目指すことができると言われています。そんなスキンケア・漢方などで複合的にケアしていく方法をご紹介していきます。

アトピー性皮膚炎とは

まず「アトピー性皮膚炎」とはどのような肌の状態を指すのでしょうか?アトピー性皮膚炎を改善する方法の前に、特徴や症状について詳しく見ていきましょう。

アトピー性皮膚炎の特徴

アトピー性皮膚炎の特徴は、肌にかゆみを伴う湿疹が左右対称にできることです。少し良くなったかと思えばまた悪化する・・・と、完治させることが難しいのも特徴のひとつ※。

バリア機能が低下した肌は外からの刺激に弱くなり、アレルギー物質や刺激が入ってきやすい状態になります。アトピー性皮膚炎の方はバリア機能が低下していることが多いので、外部からの刺激によって肌にかゆみが現れたり、湿疹ができたりするのですね※。

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


アトピー性皮膚炎の皮膚の状態

アトピー性皮膚炎の症状が現れた肌には、次のような症状が見られます※。

・肌が赤くなる
・小さくぶつぶつとした湿疹ができる
・肌がカサカサとしていて皮が剥ける
・肌の厚みが増す
・かさぶたができる

かゆみを伴う湿疹がでるだけではなく、肌が赤くなる、厚みが増すなど肌トラブルだと思いがちな症状も含まれます。肌がカサカサとして皮が剥ける症状も、かゆみがあらわれなければ乾燥肌だと勘違いすることもあるでしょう。

ご紹介したいずれかの症状に当てはまった方は、単なる肌トラブルではなくアトピー性皮膚炎の可能性も・・・。しつこい肌トラブルに悩まされているなら、次にご紹介する治療方法を試してみてはいかがでしょうか?

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック

アトピー性皮膚炎の主な治療方法

完治の難しいアトピー性皮膚炎を改善していくには、原因を特定し、適切な治療を行っていくことが大切です。それでは、アトピー性皮膚炎の主な治療方法についてご紹介しますね。

原因の特定・除去

アトピー性皮膚炎の治療を行っていくには、まず「何が原因で発症しているのか?」と突き止めなければいけませんよね。そこでまずは、治療前に原因の特定を行います。

原因物質は次のように、人によってそれぞれです※。

・黄色ブドウ球菌(皮膚常在菌の1種)
・ダニ
・カビ
・汗
・ペット
・ストレス
・食事バランス
・生活習慣

これらたくさんの原因物質の中から、アトピー性皮膚炎の症状を引き起こしている原因を特定し、除去・改善していくことは症状悪化を抑えるための対策としてとても大切です。

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


スキンケア

肌のバリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎の方にとって、スキンケアは欠かせない治療法のひとつ。バリア機能を強化して外からの刺激に負けない肌を作り出せれば、たとえ原因物質に触れても症状が現れにくくなります。

治療では低刺激の石けんを使って肌を清潔にし、しっかりと保湿をすることがポイント※。具体的なスキンケア方法については後でご説明しますので、そちらを参考にしてくださいね。

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


投薬

投薬もアトピー性皮膚炎の治療方法としてとても一般的です。症状が現れた部位に塗る「ステロイド外用薬」とともに、飲むことで全身の肌に効果がある「ステロイド内服薬」の2種類が主に用いられます※。

ただし、ステロイド内服薬には免疫力を抑制したり、全身が毛深くなったりなどの副作用も。ステロイド外用薬は比較的安全ですが、肌が薄くなる、ニキビができやすくなるなど、肌トラブルにつながる副作用が起きることもあるため、避けたいと考える方もいらっしゃいます※。

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


西洋薬だけに頼らない漢方の活用

ステロイド外用薬・内服薬には少なからず副作用があるので、やはり気になる方も多いですよね。そこでアトピー性皮膚炎の投薬治療のひとつとしておすすめなのが「漢方」です。

西洋医学と東洋医学の役割は全く違います。症状を抑えることに優れている西洋医学に対し、東洋医学では自己治癒力を高め病気を治していくことが目的※。

アトピー性皮膚炎の投薬治療では、ステロイド剤と漢方それぞれの特長を活かした治療法が効果的だと考えられます。

参照:荒浪暁彦著. アトピー漢方治療革命. メディア・パル 2010年; 54-82

アトピー性皮膚炎におけるスキンケア方法

アトピー性皮膚炎の方にとっては、日々のスキンケアも大切な治療の一環だとお話いたしました。ここからは具体的にどのようなスキンケアをしていけばよいのか、お手入れのポイントとなる3つの要素について見ていきましょう。

入浴

まずは肌の清潔を維持するための「入浴」です。毎日きれいに体を洗うことはもちろんですが、使う石けんはなるべく低刺激のものを選ぶことが最大のポイント。

防腐剤や着色料、香料、合成界面活性剤がなるべく含まれない石けんを選んでくださいね※。植物由来の原料で作られたオーガニック石けんなら、肌に余分な刺激を与えることなく安心です。

洗った後は、石けんやシャンプー、コンディショナーが残らないよう、よく洗い流すようにしましょう※。

参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


保湿

肌を清潔にしたら、次は「保湿」を重視したスキンケアを行っていきます。保湿は肌のバリア機能を回復させるために欠かせません※1。高保湿のアイテムを使い、肌にうるおいを与えるようしっかりとケアしましょう。

ただし化学物質など刺激の強い成分が含まれると、肌の炎症を悪化させてしまう可能性もあるので※2、保湿力が高くても化学物質はなるべく避けるようにしてくださいね。アトピー性皮膚炎の方のスキンケアでは、肌にやさしく、低刺激なアイテムを選ぶことが基本となります。

アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌が原因物質となることもあるので、黄色ブドウ球菌を抑制する効果があるとされる月桃※3を配合したアイテムもおすすめですよ。

参照1:独立行政法人環境再生保全機構:皮膚のバリア機能を回復させるために重要なこと


参照2:JSTAGE:(PDF)化粧品の皮膚への安全性


参照3:沖縄県:(PDF)月桃を利用した抗菌、抗カビ及び防虫性を有する機能性紙の開発に関する研究(第2報)


紫外線対策

アトピー性皮膚炎の方は、毎日のスキンケアで紫外線対策も忘れないようにしましょう。日焼けをすると症状が悪化することもあるので※1、日焼け止めを塗り、帽子や日傘、サングラス、UVカットフィルムなどのアイテムを駆使して紫外線を避けることが大切。

日焼け止めを選ぶ際には、「紫外線吸収剤フリー」のものがおすすめ。紫外線吸収剤はアレルギー反応の原因になることがあり※2、アトピー性皮膚炎の肌にとっては刺激が強い可能性も・・・。日焼け止めも成分をよく確認して、肌へのやさしさ重視で選んでくださいね。

参照1:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック


参照2:環境省:(PDF)紫外線環境保健マニュアル2008

アトピー性皮膚炎に対する東洋医学でのアプローチ

保湿重視のスキンケアとともにアトピー性皮膚炎改善のために行っていきたいのが、東洋医学によるアプローチです。

西洋医学によるステロイド剤を使う治療法と、東洋医学による漢方治療は役割が違います。それぞれの特長を活かした治療を行うことが、アトピー性皮膚炎を早期改善に導くためのカギなのです。

そもそも漢方薬とは

「漢方薬」とは、中国で生まれた「漢方医学」で用いられる薬のこと。薬効のある植物や動物、鉱物など天然素材から作られていて、化学物質は一切含まれません。

粉薬のような顆粒のタイプもありますが、お湯で煮出してエキスを飲む茶葉のようなタイプもあり、根気のいる体質改善において、様々な形で取り入れやすいのはうれしいことです。

参照:荒浪暁彦著. アトピー漢方治療革命. メディア・パル 2010年; 86-110


西洋医学と東洋医学の違い

現代の病院ではほとんどの場合で西洋医学を元にした治療が行われていますが、漢方を用いる東洋医学は西洋医学と根本的に違います。西洋医学は「今現れている疾患・症状」を抑える効果が高く、東洋医学は「慢性的な疾患」を根本的に治す効果に秀でる治療法です。

なかなか完治されないアトピー性皮膚炎は代表的な慢性的疾患。そのため、東洋医学の領域である漢方薬を用いる治療がおすすめだとされているのですね。

参照:荒浪暁彦著. アトピー漢方治療革命. メディア・パル 2010年; 54-55


自己治療力を高める漢方薬

西洋医学と東洋医学は目指す効果が違うとお話しましたが、漢方薬の基本的な効果は「自己治癒力を高める」ことです。つまり、漢方薬は人間の持つ病気を治す力を高めるためのアプローチを行います。

たとえば西洋薬であるステロイド外用薬・内服薬は、アトピー性皮膚炎のかゆみや炎症を抑えてくれますよね。しかし漢方薬はかゆみや炎症を抑えるのではなく、アトピー性皮膚炎を完治させるための自己治癒力を高めるための薬です。

そのためアトピー性皮膚炎の治療では、西洋医学の力ですでに現れているかゆみなどの症状を抑えながら、漢方などの東洋医学の力で根本的治療を行っていく・・・という方法が理想的でしょう。

参照:荒浪暁彦著. アトピー漢方治療革命. メディア・パル 2010年; 54-55

アトピー性皮膚炎の改善には西洋医学・漢方薬・スキンケアがカギ!

なかなか完治が難しいアトピー性皮膚炎。かゆみだけでなく、湿疹や赤みで見た目にも肌トラブルが現れてしまうことが悩ましいですよね。

そんなアトピー性皮膚炎を改善していくには、保湿重視のスキンケアで肌のバリア機能を回復させていくこともカギとなります。

植物を中心とした天然由来成分は肌や体にやさしいこともうれしいポイントのひとつ。大自然の恵みの力を借りて、つらいかゆみや炎症を改善し健康的で美しい肌を目指しましょう。もちろん、一定の植物や天然由来成分にアレルギーがある方、無添加やナチュラル・オーガニックに見えて、化学的な成分が多く含まれている製品もありますから、パッチテスト行ったり、事前に成分を確認することも忘れないようにしてくださいね。

荒浪 暁彦_あらなみクリニック総院長 <この記事の監修>
荒浪 暁彦
あらなみクリニック総院長
慶應義塾大学
漢方医学センター非常勤講師

【あらなみクリニック公式HP】
https://www.bihada-clinic.com/
 

浜松医科大学卒業後、同大皮膚科入局。同大皮膚科助手、関連病院医長などを経て、漢方医学、美容医学を学んだ後、静岡県島田市にあらなみクリニック開設。同院は医者が選んだ専門病院(ライフ企画)及び、オリコンメディカルでは東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)皮膚科部門で、医療水準1位、総合評価2位に選出され、全国アトピーの名医(日本医療企画)にも静岡県で唯1人選ばれた。浜松医科大学及び慶應義塾大学非常勤講師を兼務し、千葉県船橋市にも分院開設。