完治の難しいアトピー性皮膚炎を改善していくには、原因を特定し、適切な治療を行っていくことが大切です。それでは、アトピー性皮膚炎の主な治療方法についてご紹介しますね。
原因の特定・除去
アトピー性皮膚炎の治療を行っていくには、まず「何が原因で発症しているのか?」と突き止めなければいけませんよね。そこでまずは、治療前に原因の特定を行います。
原因物質は次のように、人によってそれぞれです※。
・黄色ブドウ球菌(皮膚常在菌の1種)
・ダニ
・カビ
・汗
・ペット
・ストレス
・食事バランス
・生活習慣
これらたくさんの原因物質の中から、アトピー性皮膚炎の症状を引き起こしている原因を特定し、除去・改善していくことは症状悪化を抑えるための対策としてとても大切です。
参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック
スキンケア
肌のバリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎の方にとって、スキンケアは欠かせない治療法のひとつ。バリア機能を強化して外からの刺激に負けない肌を作り出せれば、たとえ原因物質に触れても症状が現れにくくなります。
治療では低刺激の石けんを使って肌を清潔にし、しっかりと保湿をすることがポイント※。具体的なスキンケア方法については後でご説明しますので、そちらを参考にしてくださいね。
参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック
投薬
投薬もアトピー性皮膚炎の治療方法としてとても一般的です。症状が現れた部位に塗る「ステロイド外用薬」とともに、飲むことで全身の肌に効果がある「ステロイド内服薬」の2種類が主に用いられます※。
ただし、ステロイド内服薬には免疫力を抑制したり、全身が毛深くなったりなどの副作用も。ステロイド外用薬は比較的安全ですが、肌が薄くなる、ニキビができやすくなるなど、肌トラブルにつながる副作用が起きることもあるため、避けたいと考える方もいらっしゃいます※。
参照:独立行政法人環境再生保全機構:(PDF)ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック
西洋薬だけに頼らない漢方の活用
ステロイド外用薬・内服薬には少なからず副作用があるので、やはり気になる方も多いですよね。そこでアトピー性皮膚炎の投薬治療のひとつとしておすすめなのが「漢方」です。
西洋医学と東洋医学の役割は全く違います。症状を抑えることに優れている西洋医学に対し、東洋医学では自己治癒力を高め病気を治していくことが目的※。
アトピー性皮膚炎の投薬治療では、ステロイド剤と漢方それぞれの特長を活かした治療法が効果的だと考えられます。
参照:荒浪暁彦著. アトピー漢方治療革命. メディア・パル 2010年; 54-82